世田谷一家殺害事件 推理 考察 なぜ狙われたのか 動機

世田谷一家殺害事件 なぜ狙われた考察

世田谷一家殺害事件 遺留品と凶器から殺害理由などを推理・考察

2022(令和4)年2月14日、伝統ある警視庁捜査一課の第77代捜査一課長に小林仁鑑識課長が就任した。知能犯(詐欺、汚職など)事件の捜査を担当する捜査二課や鑑識課長を経験した新任一課長は、その就任会見で世田谷一家殺害事件などの未解決事件に触れ、「多角的な視野で捜査を推進し、解決に導きたい(時事ドットコムニュース:「犯罪者逃がさない」 警視庁の小林仁・新捜査1課長2022年02月11日17時07分 配信)と語ったらしい。世田谷一家殺害事件など未解決事件の早期解決に期待が持たれる。

本サイトは以下のとおり、過去4回にわたり「世田谷一家殺害事件」の検証を行った。

  1. 世田谷一家殺害事件 検証-1 最新情報
  2. 世田谷一家殺害事件 検証-2 最新情報-2
  3. 世田谷一家殺害事件 検証-3 犯人像
  4. 世田谷一家殺害事件 検証-4 犯人像-2

本サイトは世田谷一家殺害事件の犯人を以下の属性を持つ人物だと考える。

  • 世田谷一家殺害事件の犯人および犯人の親族と被害者A氏および家族は顔見知りである
  • 世田谷一家殺害事件の犯人は親族が所有、居住などしていた城南地域のマンションに関係する
  • 世田谷一家殺害事件の犯人は日系移民の子孫である
  • 世田谷一家殺害事件の父系は明治期から大正期にかけ西日本から海外に移民した
  • 世田谷一家殺害事件の犯人の親族は城南地域に不動産を持つ成功者である
  • 世田谷一家殺害事件は単独犯である

世田谷一家殺害事件の検証第5回目の今回は上記の仮説に繋がる遺留品と凶器に着眼してみよう。

世田谷一家殺害事件 地図 事件概要 参考情報


世田谷一家殺害事件 事件概要

  • 事件概要:一家4名殺害の強盗殺人事件
  • 事件日時:2000(平成12)年12月30日(土)23時頃~31日(日)未明にかけて
  • 事件現場:東京都世田谷区上祖師谷3丁目内
  • 被害者数:4名(成人2名、幼児2名)
  • 容 疑 者:不明 未解決事件 2022年3月23日時点 
  • 推定凶器:関孫六の刺身包丁1本および被害者宅の包丁1本(計2本)

※犯行日時(2000(平成12)年12月30日(土)23時頃~31日(日)未明にかけて)は警視庁のホームページから。

以下の動画は、「上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件(事件当時の発生現場付近のイメージ3D動画) 警視庁公式チャンネル 警視庁HP 更新日:2022年4月1日」


なお、本サイトは、過去の報道などから犯人または犯人の家族、親族、関係者は、被害者Aまたは家族の知人の可能性があり、犯人は事件以前から被害者A宅を訪れていたと考えている。
このことから、犯人は玄関から被害者A宅に入った(訪問した)と考え、犯人が被害者A宅を訪れたのは 2000(平成12)年12月30日(土)23時の「数十分前から1時間以内の範囲の午後10時(22時)台」だと推察しており、被害者宅までの移動手段、犯行後の逃走手段は、徒歩、自転車の可能性が高いと推理する。(参考:世田谷一家殺害事件 検証-3 犯人像

世田谷一家殺害事件 地図(参考情報)

世田谷一家殺害事件 遺留品 凶器

世田谷一家殺害事件の犯行現場A氏宅には多くの遺留品が残されていた。その遺留品の詳細は警視庁のHP上祖師谷三丁目一家4人強盗殺人事件に掲載されている。本サイトでは世田谷一家殺害事件 検証-4 犯人像-2において、その遺留品一つ一つの値段から犯人の経済状況などの推察を行い、事件当時の犯人は、学生、浪人生、無職を含む収入の少ない不安定な就労状況だった可能性を指摘した。

今回はこの遺留品のなかにある凶器(包丁関孫六)とハンカチおよび手袋そして被害者への攻撃状況から犯人の属性や犯行の動機などを考察する。

世田谷一家殺害事件の犯人像や犯行目的の仮説は出版物、報道、ネットにいくつも散見される。そもそも、犯人の被害者A宅への侵入経路にも(中)二階の浴室の窓からの侵入説と玄関からの侵入/訪問説があり、その侵入経路の読み筋により犯人像が大きく違ってしまう。

(中)二階の浴室からの侵入を考えた場合には、①プロの物盗りによる犯行説②素人の物盗りの犯行説③不特定を狙った快楽殺人者の犯行説、などが考えられる。

また、玄関からの侵入/訪問説に立てば①知人間の「何らかの」トラブルや怨恨(一方的な怨恨含む)から発生した事前準備のある殺人、物盗りを目的とした犯行説②事前準備はあるが当初は強盗殺人を目的とせず脅しなど目的で凶器を準備していたが結果的に殺人に至った説、などが考えられる。

確かに1990年代からは海外密航者斡旋組織などの暗躍により、日本国内での外国人や外国人と日本人の混成グループによる凶悪な犯罪や窃盗、侵入盗、強盗事件が目立つようになった。そして、日本に血縁、地縁を持たないアウトサイーダーの彼(女)らは強引かつ非情な手口の犯罪に手を染めることもあっただろう。報道されている凄惨な犯行現場の情報から、世田谷一家殺害事件の犯人も軍隊経験のある外国人または外国人と日本人の混成グループによる「プロ」の犯行だとの指摘もあるが、本サイトは現場に残された遺留品や報道されている事件の状況から、犯人は、玄関からの侵入/訪問説に立ち①知人間の「何らかの」トラブルや怨恨(一方的な怨恨含む)から発生した事前準備のある殺人、物盗りを目的とした犯行説②事前準備はあるが当初は強盗殺人を目的とせず脅しなど目的で凶器を準備していたが結果的に殺人に至った、と推測している。

ここから、上記を前提とした世田谷一家殺害事件に関する仮説を以下の各項目で述べていこう。

世田谷一家殺害事件 関孫六 購入者特定の報道

2021(令和3)年12月12日、「警視庁は世田谷一家殺害事件の発生(2000年12月30日)の前日(同年12月29日)に東京都武蔵野市内大型小売店舗で関孫六銀寿を購入した男性を前年に特定していたが、同人のDNA型が事件現場から採取された犯人と思しき人物のDNA型と不一致だった」との報道(テレ朝ニュース2021年12月17日配信)がなされた。なお、警視庁は2004年に同人の似顔絵を事件の参考人として公開していた。

上記の報道は今後の世田谷一家殺害事件の犯人逮捕を予感させる重要な内容だ。技術の進歩により過去の未解決事件の解決の糸口を掴める時代が到来した。

世田谷一家殺害事件の犯行に使われた「関孫六 銀寿」の詳細が記されている警視庁成城署特別捜査本部資料(改訂4版)によれば、同柳刃包丁は「刃体21cm、柄部分を含めた全長34cm」「福井県内の業者が、2000(平成12)年6月に1,500本製造したもので、関東地区46店舗では、1丁3,500円前後で販売された」とある。この約1500本のうち東京都武蔵野市の大型小売店で販売された1本を前述の男性は購入したのだろう。ここで問題になるのは、犯人が「いつ」「どこで」「どのような目的で」この包丁を購入など(盗んだ。貰ったなどの可能性もある)したのかだろう。ただし、それらの疑問の答えは犯人逮捕まで待たねばならない。そして、犯人は「関孫六 銀寿」を犯行日の前日や同月内やその前月に購入などした可能性以外も十分に考えられる。「関孫六 銀寿」は、2000(平成12)年6月に製造されている。当然だが販売は6月以降となる。世田谷一家殺害事件の犯人は最大6か月前から「関孫六 銀寿」を所有、所持などしていた可能性がある。そして、以前から知人などの関係にあった被害者A氏に対する悪感情が高まりヒップバックに「関孫六 銀寿」を入れ、2000(平成12)年12月30日、被害者宅を訪れたのだろう。

なぜなら、過去の報道に、犯人と被害者A氏家族の関係性を指摘する報道が散見され、それらの報道には「一方、今年8月ごろ、捜査本部が詳細に検証したところ、宮沢さん宅1階車庫周辺にも蛍光剤が付着していた。鑑定の結果、遺留品のものと成分がほぼ同一であることが確認された。車庫は事件当時シャッターが閉まっていたほか、犯人の足跡などから周辺を出入りした形跡がない。このため捜査本部は、犯人か犯人に近い人物が、以前に宮沢さん宅を訪れていたか、宮沢さんと交友があって蛍光剤が宮沢さんを通じて付着した可能性があるとみて、蛍光剤の流通ルートと交友関係を調べている。(引用:東京・世田谷区の一家4人殺害:きょう8年 犯人下見? 車庫に蛍光剤 毎日新聞 2008年12月30日付)」とある。なお、引用記事中の「今年8月」は2008年8月を指している。

世田谷一家殺害事件 手袋とハンカチ 顔見知りの犯行か?

警視庁の発表および過去のメディア報道によれば、犯人の物と思われる遺留品のなかに手袋がある。だが、その手袋は犯行時に使用されていないとの報道もあり、犯人は手袋を脱ぎ素手で関孫六を握り、被害者A氏家族3人を襲ったといわれている。

ここで疑問となるのが、なぜ、犯人は犯行時に手袋を使用しなかったのか。また、犯人は持参したハンカチの「中央付近に約3センチの切り込みを入れ、ハンカチの切り込みにハンカチの他の部分を通して袋状にし、凶器である包丁の柄を差し込んで使用した(参考:警視庁HP更新日:2018年12月14日 リンク先の同HPにハンカチの特徴、使用方法に関する動画があります)」といわれているが、その作業を「いつ」行ったのか。事件現場となった被害者宅でその作業を行ったのか?それとも事前にその作業を行い、ハンカチを巻いた状態の関孫六をヒップバックに入れ被害者宅を訪れたのか?仮にそうだとするならば、滑り止めなどの理由からハンカチを凶器に巻く事前準備をしていながら、なぜ、事件現場で手袋を使わなかったか?手袋を使うと手の感覚が鈍るからか?手袋を使うと滑るからか?犯人が犯行の際に手袋を使用しなかった理由は、はっきりわからない。もしかしたら、犯人には手袋をする時間的な余裕などがなかったのかもしれない。つまり、手袋を脱いだ後、なんらかの理由で突発的にヒップバックに入れていた関孫六を手にし、そのままの状態で犯行に至ってしまった。この手袋を脱ぐ行為――世田谷一家殺害事件が「流し」の犯人による犯行ならば――この動作は不必要な動作である。このことからも、世田谷一家殺害事件の被害者A氏および家族と犯人または犯人の親族との間に人的関係性があった可能性が考えられる。

世田谷一家殺害事件 計画的な犯行説を考察する

現場に遺された犯人の遺留品が世田谷一家殺害事件当日の犯人の全ての持ち物だった仮定するなら(多くの遺留品や血痕やDNAを現場に遺した犯人が遺留品を偽装工作などする可能性は低いと思われる)、他人の家に侵入するための道具が見受けられず、複数の人間を殺害するための凶器も「関孫六 銀寿(柳刃包丁)」1本というかなり雑な準備だけである。犯人はヒップバックの中に柳刃包丁を1本だけ入れ、窃盗や快楽殺人をする目的で他人の家に侵入したのだろうか。確実性を狙うプロの所持品としてはあまりにも心許ない。殺害を目的とするなら道具(凶器)の選定や準備が足りない。

つまり、世田谷一家殺害事件が「侵入盗」「快楽殺人」を目的とする所謂「流し」の犯行であるなら事前準備が足りず、当初から怨恨などの理由による殺害を目的とする「鑑」の事件とするならば計画性に欠けるとも考えられる。

そう、世田谷一家殺害事件の犯人から感じられる上記の特性がこの事件を複雑にしているともいえるだろう。

また、性的サディズムが犯行の要因と考えらえる未成年(若年)の快楽殺人犯は、「相手を痛めつめる」「相手を殺す」などを目的とするナイフなど凶器を収集し、それらの凶器を犯行時に使用することがあるが、世田谷一家殺害事件の犯人の遺留品からはその傾向は窺われない。

平成9年(1997年)2月-5月の間に発生した「神戸連続児童殺傷事件」の酒鬼薔薇聖斗は小学生の頃からナイフなどを収集していた(参考,『絶歌』著者,元少年A,太田出版2016/4など)
平成26年(2014年)7月26日『佐世保女子高生殺害事件』の犯行当時16歳女A(2015年7月13日、医療少年院送致の保護処分決定)は、凶器のノコギリやハンマーを事前に用意していた。(参考:長崎・高1殺害 1人暮らし、猟奇性深める? 専門家「精神鑑定を 産経新聞 2014.07.29」
平成26年(2014年)12月7日『名古屋大学女子学生殺人事件』や『硫酸タリウム事件』などの(犯行当時は未成年)O受刑者(2019年10月22日、無期懲役が確定、服役中)は、10代半ばから硫酸タリウムや斧を所持していた。(参考,名古屋77歳殺害 凶器おの「中学から所持」容疑の女子学生供述 読売新聞 2015.01.28)
2019年(令和1年)9月23日『茨城一家殺傷事件』のO被告人(2021年9月17日、殺人の罪などで起訴)は、ナイフ類や約45キロの大量硫黄などを集めていた。(参考:「俺は神だ」“猫殺し”から“少女2人連続殺人未遂”へ 第二の「酒鬼薔薇」が病理を明かす16歳の「供述調書」襲撃後「ナイフの血のり」を舐め恍惚感を覚えた「性的サディズム」 裁判記録で「両親の証言」公開 「ナイフ71本」を買い与え「モンスター」を放置した無責任 週刊新潮 2021.05.20)
<世田谷一家殺害事件 なぜ狙われたのか 参考資料>未成年(若年)の快楽殺人犯が事前に収集、用意などしていた凶器類

※なお、「茨城一家殺傷事件」は判決が確定などしていないため事実認定はなされていない(2022年6月21日 現在)

世田谷一家殺害事件 突発的な事件の可能性

前述の報道(犯人と被害者A氏家族の関係性を指摘する報道)が正しいとするなら、世田谷一家殺害事件の犯人は時期は特定できないが犯行以前から被害者A氏宅を訪れていたと考えらえる。そう、世田谷一家殺害事件の犯人は被害者A氏または家族と知人などの関係に被害者宅を(事件当日も含め)複数回訪問するなどから両者の関係に友好な時期があったとも推察される。

だが、きっかけや時期はわからないが、犯人の心に一方的な恨み(被害者A氏が犯人の訪問を許したと仮定するなら被害者A氏には悪感情はなかったとも思われるため)を含め被害者Aおよび家族に対する悪感情が生まれた。犯人は以前からその感情を心に秘めていた。その感情が心のなかで大きくなり「関孫六 銀寿(柳刃包丁)」を用意して被害者宅に向った。最初は普通に会話していたかもしれない。会話の途中で「なにか」あれば所持した関孫六で脅すつもりだったのかもしれない。または最初から関孫六を使うつもりだったのかもしれない。

何れにせよ関孫六だけの準備で多数の人間を殺害する意図を持っていたのなら――犯人の準備の足りない――計画性に欠ける――素人的な犯罪者だと推察される。

世田谷一家殺害事件 結果の残忍さからのミスリードの可能性を考察

犯人未逮捕の現在、犯人の動機の詳細や犯行までの経緯は完全な主観による憶測になってしまうが、所持していた攻撃用の武器(関孫六)を被害者の顔面や頭部など硬い人体部位に突き立てればその刃物がどうなるのか――犯人が用意周到なプロなら容易にわかることだろう。実際、頭部や顔面への攻撃により関孫六は折れている。そして、持参した包丁が折れた後は力任せに相手を攻撃し、さらに被害者A宅にあった包丁を使いさらに攻撃したのではないか。犯人は持参した関孫六が折れた後も被害者A氏の妻や子に対しその折れた関孫六を振り下ろし力任せの攻撃を加えた。それが凄惨かつ特異な世田谷一家殺害事件の事件現場の要因の一つだと推察される。

この残忍な結果からの犯人像に関する推測や推理が犯人と事件のイメージをミスリードさせる原因になっているのではないか?本サイトではその可能性も指摘しておこう。

世田谷一家殺害事件 過去の重大事件との比較

世田谷一家殺害事件 90年代以降の重大事件との比較

世田谷一家殺害事件は3名を犯人が持参した関孫六と被害者宅にあった包丁で刺殺などした事件である。ただし、被害者家族の長男D君は絞殺。

ここで2000年12月30日に発生した世田谷一家殺害事件の同時期および以降に発生した単独犯の犯行と認定または推測され成人含む3人以上を刃物などで死傷させた事件を確認しよう。以下の図は確認された主な上記条件の事件であるが、いずれの事件でも包丁が凶器の場合はそれ以外の凶器も犯行に使用している。

発生年月日事件名被害者数使用凶器
1999年09月08日池袋通り魔殺人事件8名包丁、玄能
1999年09月29日下関通り魔殺人事件15名包丁、車
2000年05月03日西鉄バスジャック事件3名牛刀
2000年08月14日大分一家6人殺傷事件6名サバイバルナイフ
2004年08月02日加古川7人殺害事件7名牛刀2本、金槌、ガソリン
2004年09月09日※1.愛知豊明母子4人殺人放火事件4名サバイバルナイフ、鈍器、灯油
2006年05月07日山形一家3人殺傷事件3名刃渡45cm、全長約70cmの両刃の刃物
2008年06月08日秋葉原通り魔事件17名ダガーナイフ、車
2015年03月09日淡路島5人殺害事件5名サバイバルナイフ
2017年07月16日神戸市北区5人殺傷事件5名包丁、金属バット
2019年09月23日※2.茨城一家殺傷事件4名刃物、催涙スプレー

なお、※1.「愛知豊明母子4人殺人放火事件」は、未解決事件(2020年2月16日現在)のため使用凶器は報道からの推測であり、※2.「茨城一家殺傷事件」は2021年9月17日に殺人罪などで起訴されているが判決には至っていないため事実認定はなされていない。

また、前述の条件には合致しない2000年5月1日には、「人を殺してみたかった」などを理由に成人女性の身体を40か所以上も刺し、金槌で殴打し死亡させ、その女性の夫にも重傷を負わせた少年犯罪「豊川市主婦殺人事件」がある。

上記の図からもわかるとおり、3人以上を死傷された事件の包丁の使用は2件だけであり、その2件でも包丁以外の「武器」を犯人は使用している。このことから、加害者となる者が複数の人間を殺害する意図を持った時、その者は複数の「武器」を用意などする傾向が伺われるともいえる。

上記の点から考えれば、関孫六「だけ」を現場に持ち込んだと思われる世田谷一家殺害事件がプロの犯罪だとは考え難い。さらに言えば強い殺害の意図を持って被害者宅を訪れたのかも疑わしい。――もしかしたら―当初は脅しの目的で関孫六を持参し――事態の急変により残虐な犯行に至った可能性も――考えられないだろうか。

世田谷一家殺害事件 90年代以降の刃物を使った頭部への攻撃事件

世田谷一家殺害事件は犯人が事前に用意したと思われる関孫六の柳刃包丁などを使い被害者A氏家族3人の顔面や頭部を激しく攻撃したといわれている。

そこで過去の報道から90年代以降、被害者の顔面や頭部を刃物で攻撃した(切りつけの表現含む)事件を調べてみた。

確認された範囲での上記条件に該当した事件は以下の4つの事件である。

  1. 1999年5月22日に発生したJ2リーグ所属外国人選手に対する外国人2名の容疑者による事件
  2. 1999年9月29日に発生した下関通り魔事件
  3. 2000年5月3日に発生した西鉄バスジャック事件
  4. 2007年4月10日、沖縄県宮古島で発生した25歳次男による母親への殺人未遂事件(被害者は全治10日の怪我)

なお、上記1は深夜の繁華街での事件のため世田谷一家殺害事件の背景とは大きく違うと思われる。また、上記2,3は無差別殺人事件、上記4は親密な人間関係の親子間の事件であり、世田谷一家殺害事件は上記2,3に近いとも考えられるが、本サイトは加害者と被害者の間に上記4のような親密な関係があった可能性を指摘する。

世田谷一家殺害事件 共通項が考えられる他の事件

事件名凶器犯行時犯人の年齢犯人と被害者の関係
下関通り魔殺人事件包丁、車35歳無関係
西鉄バスジャック事件牛刀17歳無関係

上記の2つの事件は3人以上を無差別に死傷させた事件であり、犯行に包丁や牛刀(西鉄バスジャック事件の牛刀は刃渡り30cm全長40cmほどの大型の肉切包丁、価格約14,000円))を使い被害者の顔面、後頭部、首などを攻撃している点が世田谷一家殺害事件との共通項である。

ただし、上記2つの事件の犯人には精神科病院への通院歴があるといわれている。

繰り返しになるが、世田谷一家殺害事件は犯人が持参したと考えられている関孫六の柳刃包丁など2本の刃物を使い被害者A氏家族3人の顔面や頭部を激しく攻撃したといわれている。

刃物を使い相手の顔面や頭部を激しく攻撃する特異な事件。

それが世田谷一家殺害事件である。

そして、世田谷一家殺害事件の犯人には上記2つの事件に重なる点があるのかもしれない。

世田谷一家殺害事件 なぜ狙われた 動機 推理 考察

以下は、世田谷一家殺害事件に関する考察の要旨である。

世田谷一家殺害事件の被害者A氏(夫)と公表される犯人の年齢15歳~20代には、年齢差(最大29歳、最小15歳)がある。このことから、そもそも、世田谷一家殺害事件の被害者A氏家族と犯人の親族などとの間に人間関係があり、その親族などを通じて世田谷一家殺害事件の犯人と被害者A氏家族が親しくなった可能性がある。つまり、世田谷一家殺害事件の被害者A氏家族と犯人の親族は、かなり以前からの知り合いの可能性がある。(参考:世田谷一家殺害事件 検証-4 犯人像-2

世田谷一家殺害事件の被害者A氏家族は、事件の約10年前まで東京都世田谷区の東急電鉄の某駅から近い場所に住み、東急電鉄目黒線『奥沢駅』前付近で被害者A氏の妻は学習塾を経営(共同経営の可能性もある)していたといわれる。(参考:世田谷一家殺害事件 検証-1 最新情報)世田谷一家殺害事件の犯人の親族と被害者A氏家族との間に以前から人間関係があると仮定した場合、それは被害者A氏家族の以前の土地鑑(世田谷区内の2つの駅)を中心とした生活圏に関係している可能性が考えられる。

過去の報道には、世田谷一家殺害事件の被害者A氏宅のスリッパに付着していた汗など微物鑑定から犯人のDNA型が検出され、犯人は犯行以前に被害者A氏宅を訪れていた可能性の指摘があり(参考、引用:世田谷一家殺害11年 スリッパに犯人DNA型 事件前、被害者と接触か 産経新聞 2011年12月29日付)、被害者A氏家族と犯人との間には友好的な関係があった可能性も考えられる。

そして、世田谷一家殺害事件の犯人が犯行のために用意した凶器は、「関孫六 銀寿」の包丁だけだといわれている。

世田谷一家殺害事件の被害者は、なぜ狙われたのか?犯人の動機は?

繰り返しになるが、本サイトでは、被害者A氏またはその家族と犯人およびその親族には、事前の人間関係があると推察している。

前述の過去の報道が正しいと仮定するなら、犯人は少なくとも1回以上、被害者A氏宅を訪れている。つまり、被害者A氏または家族は、犯人を事件以前に1回以上、自宅に招き入れている。

事前の人間関係がある加害者と被害者――世田谷一家殺害事件をそう仮定するのなら――そこには一方的な怨恨などがあるのかもしれない。――また、犯人は事前に凶器の準備はしているが、その準備が不足しているとも考えられるため、当初は凶器を示威しながらの脅しなど他の目的で被害者A氏宅を訪れ――何らかの理由で突発的な犯行に至った可能性が考えられる。

世田谷一家殺害事件 被害者と加害者の関係と動機に関する統計

ここでは、統計からの被害者と加害者の関係性や動機をみていこう。

被害者と加害者の関係性や犯行の動機に関する統計からの分析を行った法務省の施設等機関「法務総合研究所」の「研究部報告50-第2章殺人事件の動向(P8)」には以下の記述がみられる。

(前略)殺人事件の動機として多いのは,憤まん・激情,報復・怨恨,暴力団の勢力争い等,痴情・異性関係トラブル,介護・養育疲れであったが,それらのいずれの動機においても,面識のない相手に対する事件は最も少なかった。親族,面識のある相手との関係における問題が殺人の動機を抱く契機・原因となることが多く,面識のない相手に対して殺人事件の動機を有するに至ることは比較的少ないと考えられる。

法務省の施設等機関 法務総合研究所研究部報告50-第2章殺人事件の動向 (無差別殺傷事犯に関する研究 2013)

上記は平成22(2010)年版警察庁「犯罪白書」の統計に基づいた法務省の施設等機「法務総合研究所」の分析である。

なお、平成22(2010)年版警察庁「犯罪白書」にある「主たる被害者との関係別構成比(罪名別)」「殺人・傷害致死 主たる動機・被害者との関係別人員」の図は以下のとおりである。

統計からも殺人事件の被害者と加害者の間には面識(親族含む)のあるケースが多く、その動機には、「憤まん・激情」「報復・怨恨」が多いことがわかる。

殺人事件の多くは事前に犯人と被害者に面識(親族含む)があり、面識のない者の間の殺人事件は全体の約1割である。そう、世田谷一家殺害事件も事前に被害者A氏および家族と面識のある犯人の一方的な恨み、激情からの動機により被害者A氏とぞの家族が狙われた可能性が高いといえそうだ。

世田谷一家殺害事件 なぜ逮捕されないのか?なぜ未解決なのか?

本サイトは世田谷一家殺害事件の犯人を日系人の子孫だと推察している。つまり、生まれ育ちなど含め主たる生活の拠点は海外にある(あった)が、世田谷一家殺害事件の少なくとも1年前には、親族が所有する城南地域のマンション等に出入り(生活等)していた。そして、世田谷一家殺害事件後は海外の生活拠点に戻った可能性が高いと推測するが、犯人の親族(三親等の範囲)は、現在も日本にいると考えられる。

そう、事件現場である被害者A氏に指紋やDNAを残しながら現在(2022年4月28日現在)まで、犯人の逮捕に至っていない理由は、犯人が日本国内から出国しているからだと思われる。当然ながら警察は他の事件などで逮捕などした被疑者の指紋データやDNAデータと世田谷一家殺害事件に遺された犯人の指紋、DNAの照合を入念にしているだろう。非常に残忍で反社会性の強い世田谷一家殺害事件の犯人が他の事件に関係する可能性の高さは容易に想像できる。

では、犯人が海外で生活していると仮定した場合、犯人を特定する手段はあるのか?犯人を日本から移民の子孫と仮定するならば、犯人の親族は日本国内にもいるだろう。親族と思われる人物を特定し、その人物のDNA型データと世田谷一家殺害事件の現場に残された犯人のDNA型データの同定性の確認ができるのなら犯人の特定に繋がるかもしれない。また、米国FBIのように家系図サイトを利用した捜査手法も有効な手段かもしれない。ただし、それらの捜査手法を使うには超えればならない高い法的および倫理的なハードルがある(参考:世田谷一家殺害事件 検証-1 最新情報 DNA捜査プライバシー保護と冤罪証明ための利用

国家が国民のDNAをデータ化し保存することから考えられる多くの懸念や問題点と未解決事件解決のための国民のDNAの利用の問題。国家にどのような権限を与えるか?DNA捜査が認めらるなら、それはどのような事件なのか?誰が許可を出すのか?裁判所か?科学技術の進歩と倫理、国家と個人の関係の深い議論を進める必要があるだろう。

世田谷一家殺害事件などの未解決事件の解決の鍵は国民の関心と議論なのかもしれない。

◆参考・引用文献

【J2】<大宮>ヨルン左目などを刃物で切られ選手生命危機 スポーツニッポン 1999年5月22日
[クローズアップ2001]世田谷一家殺害事件・発生1年 犯人像、今も絞れず 毎日新聞 2001年12月27日付
東京・世田谷区の一家4人殺害:きょう8年 犯人下見? 車庫に蛍光剤 毎日新聞 2008年12月30日付
包丁を包む方法、比北部の仕方?世田谷一家殺害事件 朝日新聞 2019年12月14日付
女性顔面刺される/生命別条なし 二男の犯行か/宮古島市 琉球新報社 2007年4月11日付

世田谷一家殺害11年 スリッパに犯人DNA型 事件前、被害者と接触か 産経新聞 2011年12月29日付

世田谷一家4人強盗殺人事件 – 警視庁ホームページ(リンク先は警視庁ホームページにある世田谷一家4人強盗殺人事件に関するPDFです)

お時間のある時に以下の記事もご覧ください。

Jean-Baptiste Roquentin運営者

投稿者プロフィール

Jean-Baptiste RoquentinはAlbert Camus(1913年11月7日-1960年1月4日)の名作『転落(La Chute)』(1956年)とJean-Paul Sartre(1905年6月21日-1980年4月15日)の名作『嘔吐(La Nausée)』(1938年)に登場するそれぞれの主人公の名前からです。
Jean-Baptiste には洗礼者ヨハネ、Roquentinには退役軍人の意味があるそうです。
小さな法人の代表。小さなNPO法人の監事。
分析、調査、メディア、社会学、政治思想、文学、歴史、サブカルなど。

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