
- はじめに
- 調査報告書:ストーカー事案における女性被害者・男性加害者の関係性と年齢差
- 調査目的と分析枠組み
- 資料の性格と比較上の注意
- 日本の公的統計
- 日本における被害者―加害者の年齢差研究
- 海外の全国統計
- 海外の個別研究
- Roberts(2002):元恋愛関係の女性305人
- Kamphuis & Emmelkamp(2001):支援を求めた女性被害者201人
- Boon & Sheridan(2001):実在124事例
- Mullen et al.(1999):司法精神医学145人
- Mohandie et al.(2006):RECON 1,005事例
- McEwan, Mullen & MacKenzie(2009):持続性の予測
- Senior(2023):非ドメスティック・ストーキング
- Manaigre & Nijdam-Jones(2026):関係別に年齢差が大きく変化
- Sheridan, Scott & North(2014):加害者年齢と行動
- 関係性と年齢差の横断的検討
- 被害者―加害者関係と年齢差に関する仮説
- 未解明点と研究上の制約
- 結論
- あとがき
- 付録A 主要数値一覧
- 付録B 参考文献・資料
はじめに
ジャーナリストという未来を胸に抱いていた彼女が、不条理な悲劇に呑み込まれたのは、1996年9月9日のことである。不可逆の時の流れの底に沈殿する哀悼の念をなぞりつつ、柴又女子大生放火殺人事件の深淵を覗き込んでいた折、ある過去の報道が意識を捉えた。
毎日新聞の報道によれば、事件の約10日前、深夜の柴又駅から帰路についていた彼女は、「誰かが後ろを付けてくる。道を曲がっても付いてくる」と家族に電話を入れ、駅へと引き返している。進路を変えてもなお追随されていると感じたからこそ、彼女は帰宅を中断し、駅へ戻ったと考えることが自然だ。
このとき彼女が追尾されていると感じた人物と、凶行に及んだ犯人を直接結びつける公式な証拠は提示されていない。しかし、惨劇の直前に、被害者本人が自らに対する追尾を認識していたという事実は、事件の輪郭を捉える上で看過できない。
その後、歯科医院からの帰途に、「私に何かあったら、歯の治療痕で分かるね」と口にしたとされる一件については、その真意を一義的に断定することは困難だ。事後的な視座からすれば、迫り来る死の予感を口にした言葉として響くかもしれない。だが、彼女は数日後に米国への留学を控えていた。航空機事故や災害など、外見による身元確認が困難となる事態を想定した、日常的な会話の延長であった可能性も残されている。
発話に至る文脈が明らかでない以上、この一言を「得体の知れない第三者から向けられた危害への恐怖の証左」として過大に評価するべきではない。事件前に生じていた日常の綻びを検証するならば、解釈の余地が残る言葉よりも、進路を変えてなお追随されたという「具体的な追尾の体験」にこそ、より大きな情報価値がある。
それでもなお、拭いがたい疑念が残る。
あの夜、暗がりの中で彼女の背後を歩いていた追尾者は、いかなる属性を持った何者だったのか。
仮にそれが、偶然同じ道を歩いていただけの通行人ではなく、明確な意図をもって彼女を追っていた人物だとすれば、両者の間にはどのような関係性が横たわっていたのだろうか。交際相手や親密な知人など、すでに生活圏が交差していた者なのか。それとも、彼女自身はほとんど意識していなかった、面識のない人物だったのか。世代を同じくする者か、あるいは大きく年齢の離れた者か。
「交友関係にトラブルは見当たらなかった」――そう告げる活字を追うごとに、私の思考はむしろ、その光が照らし切れなかった場所に残る、輪郭を持たない影へと向かっていった。
では、その光の届かなかった場所には、何があったのだろう。既知の関係のなかに表面化していない感情が存在していたのか。それとも、彼女が関係として意識していないところで、誰かから一方的な関心を向けられていたのか。人と人との接点は、必ずしも双方に同じ形で認識されるとは限らない。片方にとっては何気ない出会いや日常のすれ違いであっても、もう片方にとっては異なる意味を持つことがある。
もし、あの夜の追尾が意図的なものだったとすれば、その視線は、いつ、どこで彼女を捉えたのだろうか。
その問いに導かれるように、私は一度、柴又の事件という個別事案から離れ、「ストーカー事案」の構造そのものを調べることにした。被害者と加害者は、どのような関係にあることが多いのか。そして、そこにはどの程度の年齢差が存在するのか。
以下に記す報告書は、暗闇の中で育つ一方的な情念の輪郭を捉えようとした、一つの調査の記録である。
なお、本稿は、柴又三丁目女子大生殺人放火事件を、ストーキングを背景とする犯罪と認定するものではない。
事件全体の経緯、遺留品、動機および犯人像については、過去記事「柴又三丁目女子大生殺人放火事件:犯人考察と分析」で検討している。
また、事件当日に現場周辺で目撃された不審人物と「黄土色の大きなコート」については、「柴又三丁目女子大生殺人放火事件|『黄土色の大きなコート』は何だったのか」で再検討した。
調査報告書:ストーカー事案における女性被害者・男性加害者の関係性と年齢差
基準日:2026年9月15日
対象:ストーカー被害における性別構成、被害者―加害者関係、年齢分布、二者間年齢差
注:公的統計および原著論文では、定義、標本、集計単位が統一されていない。そのため、本報告書では、資料間の比較可能性を区別した上で記述する。
日本・米国・英国・豪州等の公的統計・査読研究を中心としたレビュー
要旨
本調査から得られた中心的知見は、被害者と加害者の年齢差が両者の関係性に応じて異なる傾向を示す点にある。元交際相手など既存の親密関係を経た事案では、男性側の年齢は被害女性と同年代から数歳程度上に位置する研究が多い。これに対し、日本の警察相談データでは、交際歴のない男性加害者―女性被害者の組み合わせにおいて平均年齢差が11.1歳に達した。他方、英国の非ドメスティック・ストーキングを対象とした研究では平均年齢差は4.4歳であり、非交際型の内部にも異なる年齢構造を持つ事案群が存在することが示される。
以上を総合すると、既存の親密関係を基礎とする事案では年齢差が比較的小さい一方、非親密関係または一方的な接近を契機とする事案の一部では、相対的に大きな年齢差が認められる。大規模データを用いて「女性被害者×男性加害者×交際歴なし」という条件の下で、10歳以上または20歳以上の年齢差を直接クロス集計した資料は確認されなかった。
- 日本の2025年警察統計では、ストーカー事案に関する相談等22,881件のうち、被害者の86.9%が女性、加害者の80.1%が男性であった。被害者と加害者との関係では、交際相手・元交際相手が38.9%と最も多く、知人・友人13.4%、職場関係12.0%、面識なし8.8%、配偶者等6.1%と続く。ただし、この統計では被害者・加害者の性別と両者の関係性が直接クロス集計されていない。
- 米国CDCのNISVS 2016/2017では、女性の生涯ストーキング被害者の83.6%が「男性のみ」の加害者から被害を受けていた。女性被害者と加害者との関係では、現・元の親密なパートナーが43.4%、知人が40.6%、見知らぬ者が18.7%を占めている。
- 豪州ABSの2021–22年調査は、「女性被害者×男性加害者」という条件を直接設定して関係性を集計している。直近10年間の男性ストーカー事案では、加害者が親密なパートナーであった割合は44.7%、見知らぬ者23.1%、知人・近隣住民15.0%、仕事・職業上の関係者9.9%、友人・同居人5.2%であった。
- 島田・伊原(2013)が分析した日本の警察相談データでは、男性加害者―女性被害者190件のうち、交際歴のない67件について、男性の平均年齢は42.1歳、女性は31.0歳であり、平均年齢差は11.1歳であった。これに対し、交際歴のある123件では、男性37.3歳、女性33.1歳で、平均年齢差は4.2歳であった。
- 島田(2017)が若年女性を対象に実施した調査では、親密関係解消後にストーキング被害を受けた群の平均年齢差は3.61歳であった。ただし、ロジスティック回帰分析では、年齢差はストーキング被害全体に対する独立した有意な予測因子とはならなかった(OR 1.02、95%CI 0.92–1.12)。
- Roberts(2002)が異性との恋愛関係を解消した女性大学生を対象に行った研究では、ストーキング群における元男性パートナーとの平均年齢差は+1.63歳であった。また、人口統計学的属性について、群間の統計的有意差は認められなかった。
- 警察庁が2015年度に実施した文書警告対象者176人の分析では、加害者が被害者より上位の年齢階級に属する事案が46.0%、同一の年齢階級が43.8%、下位の年齢階級が10.2%であった。また、加害者の89.8%は男性であった。ただし、分析対象は警察による文書警告に至った事案に限定されている。
調査目的と分析枠組み
本報告書は、ストーカー事案のうち、女性を被害者、男性を加害者とする事案を対象として、①被害者と加害者の関係性、②双方の年齢構成、③二者間の年齢差、④関係性による年齢差の相違、を国内外の公開資料に基づいて検討する。単純に「被害者は若い女性、加害者は年上の男性」とする人物像の妥当性を確認するのではなく、いかなる関係類型において、どの程度の年齢差が観察されるのかを区分して検討することを目的とする。
ストーカー研究では、全国被害調査、警察への相談・届出、警告・検挙等の司法記録、支援機関を利用した被害者標本、大学生調査、司法精神医学標本など、性格の異なる資料が併存している。これらの資料が対象とする母集団は同一ではない。そこで本報告書では、数値の大小を単純に比較するのではなく、母集団、定義、関係性、年齢差の算出方法を明示した上で検討する。
本報告書で区別する三種類の「年齢差」
| 区分 | 意味 | 指標としての直接性 |
|---|---|---|
| ペア年齢差 | 同一事案における被害者年齢と加害者年齢との差。平均値および分布を算出。 | 最も直接的な指標 |
| 年代クロス | 被害者と加害者を10歳刻み等の年齢階級でクロス集計。 | 年齢差の方向は把握可能だが、実年齢差は特定できない |
| 平均年齢の差 | 被害者群と加害者群の平均年齢をそれぞれ算出し、その差を比較。 | 個別事案の年齢差を示す指標ではなく、解釈可能性は限定される |
表1 本報告書では、これら三指標を区別して扱う。とりわけ、「平均年齢の差」は、個々の被害者―加害者ペアにおける年齢差の平均を示すものではない。
「関係性」の基本区分
資料によって用語は異なるが、分析上は、①現・元配偶者/交際相手などの親密関係、②知人・友人、③職場・職業上の関係、④面識のない者、⑤家族その他、に整理する。海外研究では、これに加えてintimacy seeking(親密関係希求)、rejected(拒絶された元関係者)、resentful(怨恨)、predatory(捕食的)などの動機・臨床類型が用いられる。本報告書では、これらの類型そのものではなく、「被害者との既存関係」を主要な分析軸とする。
資料の性格と比較上の注意
| 資料群 | 代表資料 | 長所 | 主な制約 |
|---|---|---|---|
| 全国公的統計 | 警察庁2025、CDC NISVS、ABS PSS | 全国規模の被害・事案構成を把握可能 | 被害者―加害者間の年齢差を直接示す集計は限定的 |
| 警察記録 | 警察庁2015、島田・伊原2013 | 警察が実際に把握した事案について、被害者・加害者双方の情報を取得可能 | 相談、警告等に至った事案に限定され、選択バイアスを含む |
| 査読被害者研究 | 島田2017、Roberts 2002、Kamphuis 2001 | 被害者―加害者関係、行動特性等を詳細に分析 | 若年女性、支援希求者等、標本の範囲が限定 |
| 司法・臨床研究 | Mullen 1999、Mohandie 2006、McEwan 2009 | 類型、持続性、脅迫・暴力リスク等を詳細に分析 | 重篤事案、司法・臨床機関との接触事案に偏る |
| 学位論文・大会報告 | Senior 2023、島田・伊原2013 | 公刊論文では示されていない年齢クロス等の詳細情報を提示 | 査読の有無・水準および一般化可能性に制約がある |
全国統計において「被害者の86.9%が女性」「加害者の80.1%が男性」と公表されている場合であっても、両割合を単純に乗じて「全事案の約7割が女性被害・男性加害である」と推計することはできない。同一事案における被害者と加害者の性別は相互に独立した変数ではないためである。同様に、被害者および加害者の年齢分布がそれぞれ示されていても、当該分布のみから個々の事案における二者間の年齢差を算出することはできない。
相談・通報行動および制度アクセスによる選択バイアス
警察統計は、社会において発生したストーカー被害の全体を直接把握したものではない。被害の発生から警察統計への計上に至るまでには、被害の認識、自己認識・ラベリング、第三者への開示、公的機関への相談・通報、警察による事案の把握という複数の過程が介在する。これらの各段階において、性別、年齢、被害者―加害者関係、被害の重篤度等による差異が存在する場合、警察が把握した事案の構成は、社会全体における被害構成と一致しない可能性がある。したがって、2025年警察統計における「被害者の86.9%が女性」という数値は、警察が相談等を通じて把握した事案に占める女性被害者の構成比として解釈する必要がある。
ストーキング被害に関する援助希求研究は、この選択過程に性別が関与する可能性を示している。鈴木(Suzuki, 2024)は、過去5年間に元交際相手から反復的なストーキングを受けた日本国内の回答者を対象に調査を実施し、除外後905人のうち331人(36.6%)が公的機関に相談していた一方、相談しなかった574人を分析対象とした。非相談群は男性253人、女性321人であり、脅迫を経験した男性群では、公的機関に相談しても訴えを真剣に受け止めてもらえないとの認識が、非相談理由として特徴的に認められた。同研究は、男性被害者において、性別規範と関連する相談障壁が存在する可能性を示している。ただし、非相談者を中心とする探索的研究であり、社会全体における男女別相談率を推計する資料ではない。
米国の全国犯罪被害調査を用いた研究においても、援助希求行動には性差が認められている。Cho, Kim & Gatewood Owens(2023)は、2016年NCVS Supplemental Victimization Surveyにおけるストーキング被害者1,459人を分析し、女性は男性と比較して「積極的援助希求群」または「非公式援助希求群」に属する可能性が高いと報告している。他方、2019年NCVS Supplemental Victimization Surveyを用いたWengloski & Cleary(2025)では、検討対象とされた諸変数のいずれについても、警察への通報を有意に予測する結果は得られていない。したがって、性別による援助希求行動の差異は分析上考慮すべきである一方、「男性は女性より警察への通報率が一貫して低い」と一般化することはできない。援助希求一般と警察への通報は、異なる行動として区別して検討する必要がある。
関連領域であるDV・IPV研究も、被害が制度的把握に至る過程を検討する上で有用である。Huntley et al.(2019)による男性DV被害者を対象とした系統的レビューでは、援助希求の障壁として、被害開示への恐れ、男性性規範との葛藤、支援サービスの不可視性、自身を対象とする制度ではないとの認識等が抽出されている。日本においても、Morishita, Yasuda & Suda(2024)は、男性IPV被害者1,466人を対象としたウェブ調査において、援助希求を行った者が43人にとどまったと報告している。また、埼玉県は2026年、県の意識・実態調査において男性のおよそ7人に1人がDV被害経験を回答する一方、県内の配偶者暴力相談支援センターにおける相談実人数に占める男性の割合が4.4%であり、男性被害経験者の81.5%が「相談できなかった」または「相談しようと思わなかった」と回答したことを踏まえ、男性DV被害者専用の電話相談を新設した。
DV・IPV研究から得られた知見を、ストーキング被害における男女比へ直接適用することはできない。これらの知見は、対人被害が公的統計として把握されるまでの過程に、被害認識、社会規範、相談に対する期待、相談窓口の可視性および利用可能性等による選択が介在し得ることを示す補助資料として位置づける必要がある。したがって、警察統計に示された男女比から、未相談事案を含む社会全体の被害比率を逆算することはできず、一定の補正係数を機械的に適用することも妥当ではない。今後は、一般人口調査と行政・警察記録を接続し、性別、被害者―加害者関係、年齢、被害の重篤度等の各要因別に、相談・通報に至る割合を検討する必要がある。
日本の公的統計
本章では、日本の公的統計に基づき、ストーカー事案における被害者・加害者の性別構成、年齢分布および関係性を整理する。併せて、警察把握事案を基礎とする統計であることから、その解釈上の制約を確認する。
警察庁「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等への対応状況」
警察庁が2026年3月19日に公表した2025年(令和7年)の統計によれば、ストーカー事案に関する相談等件数は22,881件で、前年から3,314件、16.9%増加した。被害者は女性19,880人(86.9%)、男性3,001人(13.1%)であった。加害者は男性18,334人(80.1%)、女性2,808人(12.3%)、不明1,739人(7.6%)であった。
図1 日本のストーカー相談等における被害者・加害者の性別構成(2025年)
出典:警察庁(2026)公表値を基に作成。被害者n=22,881、加害者n=22,881。
この統計からは、被害者では女性、加害者では男性がそれぞれ多数を占めることが確認できる。ただし、被害者と加害者の性別を同一事案単位でクロス集計した表は公表されていない。したがって、当該統計のみから女性被害者に占める男性加害者の割合を算出することは不能である。
図2 日本のストーカー相談等:被害者・加害者の年齢構成(2025年)
出典:警察庁(2026)公表値に基づき作成。被害者は特定対象者22,482人を分母とし、
密接関係者399人を除外。加害者は年齢不明16.6%を含む総数22,881人を分母とする。
被害者では20代が35.6%で最多を占め、30代20.6%、40代16.1%がこれに続く。加害者についても20代が21.2%で最多であるが、30代16.1%、40代15.1%、50代12.9%と、被害者に比して高年齢層にも分布が及んでいる。周辺分布を比較すると、加害者側の年齢分布は被害者側より高年齢方向に広がっている。ただし、この分布差を、個々の事案における被害者―加害者間の実年齢差として解釈することはできない。
図3 日本のストーカー相談等:被害者と加害者の関係(2025年)
出典:警察庁(2026)公表値を基に作成。各割合は相談等22,881件を基準。密接関係者399件(1.7%)を含む。
交際相手・元交際相手が38.9%で最多を占め、知人・友人13.4%、職場関係12.0%、面識なし8.8%、配偶者・元配偶者等6.1%がこれに続く。交際相手・元交際相手と配偶者・元配偶者等を合算すると、親密関係に由来する事案は少なくとも45.0%を占める。「その他」および「関係等不明」が含まれるため、親密関係に由来する事案の割合を45.0%と確定することはできない。
警察庁2015年度委託調査:文書警告対象176人
警察庁の2015年度委託調査は、東京都および関東10県警において、2014年10月15日から12月15日までの間に文書警告を受けた176人を対象としたものである。加害者は男性158人(89.8%)、女性18人(10.2%)であった。被害者との関係では、交際相手・元交際相手が99人(56.2%)で最多を占め、知人・友人26人(14.8%)、取引等16人(9.1%)、職場関係11人(6.2%)、面識なし11人(6.2%)がこれに続いた。
図4 文書警告対象者176人:加害者年代と被害者年代のクロス集計
出典:警察庁(2016)「ストーカー加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチに関する調査研究(II)」表を基に作成。
この年代クロスを再集計すると、加害者が被害者より上位の年齢階級に属する事案は81件(46.0%)、同一の年齢階級に属する事案は77件(43.8%)、下位の年齢階級に属する事案は18件(10.2%)である。したがって、本標本では、加害者が被害者と同一または上位の年齢階級に属する事案が89.8%を占める。
本集計は10歳刻みの年齢階級に基づくため、実年齢差を直接示すものではない。例えば、39歳と30歳は同一階級に区分される一方、40歳と39歳は異なる階級に区分される。また、対象は警察による文書警告に至った事案に限定されており、一般のストーカー被害全体を代表する標本ではない。
日本における被害者―加害者の年齢差研究
本章では、日本国内の研究を対象に、ストーカー事案における被害者―加害者間の年齢差を検討する。とくに、個々の事案におけるペア年齢差と、被害者群・加害者群の平均年齢差を区別して整理する。
島田・伊原(2013):交際歴の有無で年齢差が変わる
科学警察研究所の島田貴仁・伊原直子は、ある県警が2012年8月から10月までに受理した警察安全相談を分析した。除外後1,141件のうち、ストーカー事案は233件であり、男性加害者―女性被害者が190件、女性加害者―男性被害者が43件を占めた。男性加害者―女性被害者190件全体では、男性加害者の平均年齢は38.7歳、女性被害者は32.4歳であり、両群の平均年齢差は6.3歳であった。
| 男性加害者―女性被害者 | 件数 | 男性平均年齢 | 女性平均年齢 | 平均年齢差 |
|---|---|---|---|---|
| 交際歴なし | 67 | 42.1歳 | 31.0歳 | +11.1歳 |
| 交際歴あり | 123 | 37.3歳 | 33.1歳 | +4.2歳 |
| 全体 | 190 | 38.7歳 | 32.4歳 | +6.3歳 |
出典:島田・伊原(2013)。「交際歴なし」は面識なしおよび知人だが交際なし、「交際歴あり」は交際・元交際、内縁等、配偶者等を含む。ここで示す+11.1、+4.2は各群の男女平均年齢の差であり、論文表に示された群平均から算出した値。
この結果は、日本資料において関係性と年齢差の関連を検討する上で重要な位置を占める。交際歴あり群の平均年齢差が4.2歳であったのに対し、交際歴なし群では11.1歳であった。少なくとも当該県警・当該期間の相談事案では、既存の恋愛・婚姻関係を有しない男性加害者―女性被害者事案において、より大きな平均年齢差が認められた。
本資料は日本心理学会大会発表論文集に掲載された研究であり、対象は単一県警における3か月間の相談事案に限定される。したがって、全国の非交際型ストーカー事案について「男性が平均11歳年上」と一般化することはできない。後述する英国資料との比較からも、11.1歳という値は非交際型事案に共通する平均値ではなく、当該標本において認められた特徴として位置づけるのが妥当である。
島田(2017):若年女性の親密関係解消後ストーキング
島田(2017)は、18~39歳の女性を対象とするインターネット調査に基づき、親密関係解消後のストーキング被害を分析した。関連する分析表では、被害なし群の女性の平均年齢は23.61歳、相手男性は25.96歳であり、ペア年齢差は2.35歳であった。被害あり群では、女性の平均年齢は23.46歳、相手男性は27.07歳であり、ペア年齢差は3.61歳であった。
| 群 | 女性平均 | 男性平均 | ペア年齢差平均 |
|---|---|---|---|
| ストーキング被害なし | 23.61歳 | 25.96歳 | 2.35歳 |
| ストーキング被害あり | 23.46歳 | 27.07歳 | 3.61歳 |
出典:島田(2017)表4。年齢差は、同研究において算出された被害者―相手男性間のペア年齢差を使用。
ロジスティック回帰分析に年齢差を投入した結果、ストーキング被害全体に対するオッズ比は1.02(95%CI 0.92–1.12)であり、統計的有意性は認められなかった。男性の年齢についてもOR 1.03(95%CI 0.96–1.10)であり、有意な関連は認められなかった。したがって、本標本では、被害あり群の平均年齢差が被害なし群を上回る一方、年齢差は、他の要因を調整した後のストーキング被害と独立した関連を示さなかった。
物理的暴力を従属変数としたモデルでは、年齢差のORは0.82(95%CI 0.68–0.99)であった。同モデルでは、年齢差の増大が物理的暴力のオッズ低下と関連していた。この結果は因果関係を示すものではない。少なくとも、「年齢差の拡大に伴って暴力性が増大する」とする単純な仮説を支持する結果ではない。
海外の全国統計
本章では、海外統計を用いて、ストーカー被害における被害者・加害者の性別構成および両者の関係性を整理する。あわせて、日本の公的統計との比較に必要な範囲で、各統計の対象範囲と集計方法を確認する。
米国CDC NISVS 2016/2017
CDCのNational Intimate Partner and Sexual Violence Survey(NISVS)2016/2017更新版では、女性の生涯ストーキング被害率は31.2%、男性は16.1%であった。女性の生涯被害者のうち83.6%は「男性のみ」の加害者からストーキングを受けており、「女性のみ」は7.4%、「男女双方」は7.1%であった。
図5 米国:女性の生涯ストーキング被害者と加害者の関係
出典:Smith, Basile & Kresnow(2022), CDC NISVS 2016/2017。複数加害者を経験した回答者がいるため関係カテゴリーの合計は100%を超える。
女性被害者と加害者との関係では、現・元の親密なパートナーが43.4%、知人が40.6%を占め、主要な二類型を構成する。これに、見知らぬ者18.7%、家族8.6%、短時間の接触相手8.0%、権威関係3.7%が続く。本調査においても、女性被害では男性加害者が多数を占めるとともに、親密関係および知人関係が主要な関係類型を形成している。
参考として、旧NISVS 2011では、女性被害者の88.3%が「男性のみ」の加害者から被害を受けていた。加害者との関係は、現・元親密パートナー60.8%、知人24.9%、見知らぬ者16.2%、家族6.2%であった。2016/2017更新版とは調査方法および測定方法が異なるため、両調査における割合の差異を時系列上の変化として解釈することはできない。
豪州ABS Personal Safety Survey 2021–22
豪州統計局(ABS)のPersonal Safety Survey 2021–22は、被害者と加害者の性別の組み合わせと両者の関係性を直接対応させて公表しており、比較資料として有用である。15歳以降に男性からストーキング被害を受けた女性は19%(約190万人)であり、女性から被害を受けた女性の2.5%を大幅に上回った。
図6 豪州:女性被害者×男性加害者の関係性
出典:Australian Bureau of Statistics(2024), Personal Safety Survey 2021–22。女性18歳以上、過去10年以内の男性ストーカー事案(推計約964,500人)における関係。
この直接クロス集計では、親密なパートナーが44.7%で最多を占め、見知らぬ者23.1%、知人・近隣15.0%、仕事・職業上の関係者9.9%、友人・同居人5.2%がこれに続く。日本の警察統計および米国CDC調査とは定義ならびに観察期間を異にするが、「女性被害者×男性加害者」に限定した場合においても、元パートナーを含む親密関係が最大の関係類型を占める点は共通している。
米国BJS 2006 Supplemental Victimization Survey:年代クロス
米司法統計局(BJS)は、2006年Supplemental Victimization Surveyについて、被害者の年齢別に加害者の「推定年齢」をクロス集計したAppendix Table 1を公開している。同表は被害者・加害者の性別を固定していないため、「女性被害者―男性加害者」を直接示す資料ではないが、ストーカー事案全体における被害者―加害者間の年齢的近接性を把握する補助資料として利用できる。
図7 米国BJS:被害者年齢別の加害者推定年齢
出典:BJS, Supplemental Victimization Survey 2006, Appendix Table 1。加害者年齢は被害者による推定。
21~29歳の被害者では加害者も21~29歳が48.2%、30~39歳の被害者では加害者30~39歳が37.6%、40~49歳の被害者では加害者40~49歳が34.2%、50歳以上の被害者では加害者50歳以上が34.6%であり、各年齢層の最頻値はいずれも同年代である。隣接する年齢層も一定割合を占めており、少なくともストーカー事案全体では、同年代または近接年代への集中が認められる。
BJSの2006年SVSについては、その後、主要推計値の訂正が行われている。本報告書で用いる年代クロスは、BJSが現在も公開しているAppendix Table 1に基づくが、元分析に由来する補助資料として位置づける。
海外の個別研究
本章では、海外の個別研究を用いて、ストーカー事案における被害者―加害者関係、年齢差、持続性および暴力リスクとの関連を整理する。とくに、前章で扱った海外統計では把握しにくい、二者間の具体的な関係性と年齢差に着目する。
Roberts(2002):元恋愛関係の女性305人
Robertsは、異性との恋愛関係を解消した女性大学生305人を、ストーキング群105人、ハラスメント群98人、非該当群102人に分類した。元男性パートナーの年齢から女性の年齢を差し引いた平均年齢差は、ストーキング群+1.63歳、ハラスメント群+0.91歳、非該当群+0.93歳、全体+1.17歳であった。また、参加者および元パートナーの人口統計学的属性について、3群間に統計的有意差は認められなかった。
この結果は、元交際相手型において年齢差そのものが主要な識別要因とはならないとする島田(2017)の結果と整合する。両研究はいずれも若年層を中心とする標本であり、全年齢層への一般化には制約がある。しかし、少なくとも親密関係解消後のストーキングを「大幅に年長の男性」によって特徴づける根拠は示されていない。
Kamphuis & Emmelkamp(2001):支援を求めた女性被害者201人
オランダの支援希求女性被害者201人を対象とした研究では、加害者の89%が男性、73%が元パートナーであった。女性被害者の平均年齢は43.3歳(SD 10.1)、加害者の平均年齢は41.9歳(SD 11.0)であり、集団平均では加害者が1.4歳若かった。これはペア単位の平均年齢差ではなく、個々の事案における年齢差の分布は把握できない。それでも、女性被害者に対する男性ストーカーが一貫して年長であるとする見解を、支援希求者標本全体に適用することはできない。
Boon & Sheridan(2001):実在124事例
英国の実在124事例を対象とした類型研究では、被害者の92.7%が女性であり、女性加害者は8人であった。被害者の平均年齢は33.10歳(SD 11.26)、加害者は36.30歳(SD 11.31)であり、集団平均の差は+3.2歳であった。この値もペア単位の平均年齢差ではない。同研究では、元パートナー型、恋愛的執着型、妄想的固着型、サディスティック型という異なる類型が示されており、全体平均のみから各関係類型に固有の年齢構造を把握することはできない。
Mullen et al.(1999):司法精神医学145人
Mullenらは、司法精神医学センターに紹介された145人のストーカーを分析し、79%が男性であったと報告した。被害者との関係は、元パートナー30%、専門職として接触した相手23%、職場関係11%、見知らぬ相手14%などで構成されていた。また、52%は長期の親密関係を経験していなかった。同研究は、rejected、intimacy seeking、incompetent、resentful、predatoryという動機類型を提示している。年齢差を直接検討した研究ではないが、元交際相手型と、交際関係の成立に至っていない親密関係希求型とを区別して検討する必要性を示す資料である。
Mohandie et al.(2006):RECON 1,005事例
RECON研究は、北米の検察、警察、企業セキュリティ等から収集された非無作為抽出の1,005事例を、Intimate、Acquaintance、Public Figure、Private Strangerの4群に分類した。主要な分析対象は年齢差ではないが、既往の関係および事案発生の文脈に基づく類型間で、人口統計学的特性、臨床的特性、追跡行動、脅迫、暴力に差異が認められた。とりわけ、過去に性的親密関係を有した群では、脅迫および暴力のリスクが高かった。この結果は、年齢という単一属性のみではなく、被害者との既存関係を主要な分析軸として位置づける妥当性を示している。
McEwan, Mullen & MacKenzie(2009):持続性の予測
200人のストーカーを対象とした研究では、事案の持続性と被害者との既存関係との間に強い関連が認められた。知人関係を起点とするストーキングは持続性が高く、見知らぬ相手を対象とする事案では低かった。また、加害者年齢30歳超、親密関係希求型または怨恨型の動機、精神病等も持続性との関連を示した。ここでいう「30歳超」は加害者の絶対年齢を指し、被害者との年齢差を示すものではない。したがって、加害者の絶対年齢と、被害者―加害者間の相対的な年齢差は区別して扱う必要がある。
Senior(2023):非ドメスティック・ストーキング
英国の警察事案を用いたSenior(2023)の博士論文は、親密な家庭内関係を除外したnon-domestic stalkingを分析している。年齢および性別が判明した175件では、加害者が被害者より年上であった事案が62%、年下が32%、同年齢が6%であり、平均では加害者が4.4歳年上であった。
この結果は、日本の警察相談データから得られた傾向の適用範囲を検討する上で、有効な比較資料となる。島田・伊原(2013)では、交際歴のない男性加害者―女性被害者について平均年齢差11.1歳が示された一方、英国の非ドメスティック事案全体では4.4歳であった。両研究は、性別の固定、定義、警察制度、標本特性が異なるため直接比較はできないが、「非親密型では一般に10歳以上の年齢差が存在する」とする一般化を導くことはできない。
Manaigre & Nijdam-Jones(2026):関係別に年齢差が大きく変化
2026年に大学生959人を対象として実施された調査では、ストーキング被害および苦痛の基準を満たした56人のうち46人(82.1%)が女性であり、主たる加害者47人(83.9%)が男性であった。最初のストーキング接触時における被害者の平均年齢は15.7歳、加害者は20.5歳であり、ペア年齢差の平均は4.8歳であった。年齢差は被害者―加害者関係によって大きく異なっていた。
図8 Manaigre & Nijdam-Jones(2026):関係性別の平均年齢差
出典:Manaigre & Nijdam-Jones(2026)。家族関係には親子関係等が含まれるため、恋愛関係・友人関係との直接比較には制約がある。
元友人では+0.2歳、恋愛関係では+1.0歳であった一方、家族関係では+24.2歳であった。この結果から、異質な関係類型を一括した全体平均年齢差は、各関係カテゴリーの構成比によって大きく変動することが確認できる。したがって、ストーカー事案全体の平均年齢差を、典型的な加害者―被害者間の年齢差として解釈することは適切ではない。
Sheridan, Scott & North(2014):加害者年齢と行動
1,604人の自己申告被害者データを用いた研究では、加害者を16歳以下19人、17~59歳1,499人、60歳以上86人の3群に区分し、83変数について比較している。統計的有意差が認められたのは11変数に限られ、暴力性については3群間に有意差は認められなかった。したがって、高齢という加害者属性のみを根拠として、暴力性を高く評価することはできない。本研究は被害者―加害者間の年齢差を直接検討したものではないが、加害者の高年齢と危険性を直結させる解釈には根拠がないことを示す資料である。
関係性と年齢差の横断的検討
図9 主要研究で報告された年齢差の比較
出典:各研究の公表値を基に作成。定義・標本・年齢差算出法が一致しないため、統合効果量ではなく位置関係を確認するための比較図。
| 研究 | 対象・関係 | 年齢差指標 | 結果 | 解釈上の注意 |
|---|---|---|---|---|
| 島田・伊原 2013 | 男性加害―女性被害/交際歴なし | 群平均差 | +11.1歳 | 単一県警・大会報告 |
| 島田・伊原 2013 | 男性加害―女性被害/交際歴あり | 群平均差 | +4.2歳 | 同上 |
| 島田 2017 | 若年女性/元親密関係/被害あり | ペア平均差 | +3.61歳 | 年齢差OR:非有意 |
| Roberts 2002 | 女性大学生/元男性恋人/stalking | ペア平均差 | +1.63歳 | 若年・大学生 |
| Kamphuis 2001 | 女性支援希求者201人 | 集団平均差 | −1.4歳 | 集団平均差 |
| Boon & Sheridan 2001 | 実在124事例 | 集団平均差 | +3.2歳 | 関係類型が混在 |
| Senior 2023 | 非ドメスティック警察事案 | ペア平均差 | +4.4歳 | 全性別・博士論文 |
| Manaigre 2026 | 恋愛関係 | ペア平均差 | +1.0歳 | 小標本・大学生 |
| Manaigre 2026 | 元友人 | ペア平均差 | +0.2歳 | 同上 |
「+」は加害者側が年上、「−」は加害者側が若い。群平均差とペア平均差は統計的に同一ではない。
親密関係型における比較的小さい年齢差
元交際相手・元配偶者など、既存の恋愛・婚姻関係を基礎とする事案では、年齢差が同年代から数歳程度に収まる傾向が複数の研究で認められる。Robertsの+1.63歳、島田(2017)の+3.61歳、島田・伊原の交際歴あり群+4.2歳、Manaigreの恋愛関係+1.0歳は、国、標本、研究設計を異にしながらも、いずれも大幅な年齢差を示していない。
この傾向は、ストーキング事案に固有の年齢構造というより、先行する恋愛・婚姻関係における年齢構成を一定程度反映している可能性がある。少なくとも、元交際相手型のストーキング一般を「大幅に年長の男性が若年女性を追跡する事案」と位置づけるだけの根拠は確認されない。
非交際型における大きな年齢差を示す標本
これに対し、日本の警察相談データでは、交際歴なし群において+11.1歳の平均年齢差が示された。この群には、面識のない相手に加え、知人関係にありながら交際関係には至っていない相手も含まれる。したがって、大きな年齢差を伴う事案の分布を検討する際には、「元交際相手」と、「知人・職場・顧客・近隣等の関係を基礎として一方的な親密関係希求へ移行した事案」とを区分して扱う必要がある。
一方、Senior(2023)が対象とした非ドメスティック事案では、平均年齢差は+4.4歳であった。既存資料は、非交際型の内部に年齢差の大きいサブグループが存在し、その構成比によって標本全体の平均年齢差が変動する可能性を示している。
年齢差より関係性の方が再現性の高い軸
日本の2025年警察統計、米国CDC、豪州ABSという相互に独立した公的統計では、女性被害において男性加害者が多数を占め、親密関係および知人関係が主要な関係類型を構成する点が共通している。一方、年齢差については、公的統計における直接的なクロス集計が限定され、研究標本間の変動も大きい。以上から、年齢差そのものよりも、被害者―加害者間にどのような既存関係が存在し、そこからストーキングへ移行したのかという関係性の方が、資料間で一貫性の高い分析軸となる。
被害者―加害者関係と年齢差に関する仮説
以下に示すのは、公表資料から導出した分析仮説であり、統計的に直接実証された事実とは区別する。
- 親密関係型では、ストーキング発生後に観察される年齢差が、先行する恋愛・婚姻関係の年齢構造を反映する可能性が高い。このため、平均年齢差は同年代から数歳程度に集中する傾向を示す。
- 比較的大きな年齢差を伴う事案の一部は、交際関係の成立を前提としない一方的な親密関係希求、または知人・職場・顧客等の関係を基礎として発生する事案に集中する可能性がある。 島田・伊原(2013)が示した+11.1歳という結果は、この仮説と整合する。
- 非親密型は均質な類型ではない。Senior(2023)が示した+4.4歳という平均年齢差からも、非ドメスティック事案の年齢分布が必ずしも大きな年齢差を中心として構成されているわけではないことが分かる。したがって、大きな年齢差は分布全体の中心的特徴ではなく、特定のサブタイプまたは分布の一部に集中して現れる可能性がある。
- 「加害者が高齢であること」「被害者より年長であること」「暴力性が高いこと」は、それぞれ独立して検討すべき変数である。Sheridan et al.(2014)および島田(2017)の結果から、加害者年齢または被害者―加害者間の年齢差を、暴力性または危険性と直接結びつけることはできない。
- 年齢差の影響を検討するためには、被害者―加害者関係、双方の絶対年齢、性別の組み合わせ、交際歴、別離後事案か否かを少なくとも同時に区分し、相互の影響を統制した分析が必要となる。
未解明点と研究上の制約
本調査で確認された主要な未解明点は、全国規模のデータにおいて「女性被害者×男性加害者」に条件を限定し、さらに関係性別に実年齢差の分布を示した資料がほとんど存在しないことである。とりわけ、以下の集計および分析が不足している。
- 女性被害者×男性加害者に限定した、年齢差0~4歳、5~9歳、10~19歳、20歳以上等の分布。
- 上記の年齢差分布を、元配偶者・元交際相手、知人・友人、職場・職業上の関係、面識なし等に区分したクロス集計。
- 年齢差と、つきまとい期間、接触回数、脅迫、暴力、警告、禁止命令、逮捕等との関連を検討した多変量分析。
- 同一定義および同一調査手法に基づき、国際比較が可能なデータ。
- 一般人口における被害経験、公的機関への相談、警察への通報を同一標本内で測定し、性別、被害者―加害者関係、年齢別に制度到達率を推定可能なデータ。
標本・定義上のその他の制約
定義上の相違も存在する。日本のストーカー規制法における「ストーカー行為等」、CDC・ABS等の調査で用いられるstalking、研究者が反復回数や恐怖要件等に基づいて操作的に定義したstalkingは、対象範囲および判定基準が一致しない。したがって、各統計の割合を単純に比較し、国際的な高低として解釈することはできない。国際比較では、割合の絶対値ではなく、被害者―加害者関係および年齢構造に認められる分布上の共通点・相違点を検討対象とする。
結論
公的統計および既存研究の精査により得られた知見を総合すれば、女性を標的とするストーキング事案において、男性が加害の主体となる傾向は、日本、米国、豪州を含む複数の文化的背景において共通して確認される。被害者と加害者との関係においては、現在あるいは過去に親密なパートナー関係にあった者が最大または主要なカテゴリーを形成し、知人関係がこれに次ぐという分布構造が示された。
加害者と被害者間に介在する年齢差に関して言えば、元交際相手など、すでに関係性が構築されていた親密関係を起点とする事案においては、男性側が同年代、あるいは数歳程度年長であるとする研究が中心を占める。Robertsの+1.63歳、島田(2017)の+3.61歳、島田・伊原(2013)の交際歴あり群+4.2歳、Manaigre & Nijdam-Jones(2026)の恋愛関係+1.0歳という結果は、国、標本、研究設計を異にしながらも、この年齢構造において共通している。
これに対し、日本の警察相談データでは、交際歴のない男性加害者―女性被害者間において、平均11.1歳という年齢差が観察された。同一資料における交際歴あり群の+4.2歳と比較すれば、その差は明瞭である。すなわち、加害者と被害者との間に何らかの接点が存在していたとしても、恋愛・婚姻関係が成立していない事案では、親密関係型より年長の男性という属性が加わる。知人、職場関係、顧客、近隣、その他の日常生活上の接点を持つ人物は、この類型の検討対象となる。また、知人関係を起点とするストーキングは、見知らぬ相手に対する事案より持続性が高いとする研究結果も存在する。
一方、英国の非ドメスティック事案では平均年齢差は4.4歳であり、非交際型全体が大きな年齢差によって構成されているわけではない。ここから浮かび上がるのは、交際歴の有無だけではなく、非交際型の内部に存在する関係類型の相違である。日本の警察相談資料に現れた11.1歳という年齢差は、非交際型の内部に、親密関係型とは異なる年齢構造を持つ事案群が含まれていることを示している。
さらに、面識のない人物によるストーキングも独立した類型として存在する。日本の2025年警察統計では「面識なし」が8.8%を占め、豪州ABSでは女性被害者―男性加害者のうち「見知らぬ者」が23.1%を占める。したがって、事件前に彼女が追尾されていると感じた人物についても、既存の人間関係の延長上に存在する人物だけでなく、彼女とは面識を持たず、何らかの機会に一方的に彼女を認識した人物という類型が成立する。この類型では、知人関係を起点とする事案と比較して持続性が低いという傾向が示されており、問題となるのは既存関係ではなく、どこで彼女を認識し、どの時点から追跡の対象としたのかという接点形成の経路である。
以上から、事件前に彼女が追尾されていると感じた人物について、二つの人物像にそれぞれ異なる傾向を加えることができる。追尾者が彼女の知人であった場合、さらに親密関係の有無によって人物像は分岐する。元交際相手などの親密関係者であれば、同年代から数歳程度年長の男性が中心となる。これに対し、知人等の接点を持ちながら交際関係にはなかった人物であれば、より年長の男性という傾向が加わり、加えて知人関係を起点とする事案にみられる持続性の高さも検討対象となる。
追尾者が彼女と面識のない人物であった場合には、既存の交友関係や親密関係とは別の経路から彼女を認識し、一方的に対象化した人物という像が浮上する。この場合、知人型とは異なり、人物像を既存関係から遡るのではなく、通学、アルバイト、移動経路、駅、店舗その他の日常生活上の接触地点から、最初の接点が形成された可能性を検討することになる。
追尾者が知人であったのか、それとも面識のない人物であったのか。その二つの仮説に、年齢差、親密関係の有無、持続性、接点形成の経路という異なる属性を加えることができた点に、本調査の成果がある。
あとがき
9月の雨のなか、突如として牙を剥いた不条理なる惨劇。その暴力に呑み込まれる直前、彼女が背後に感じ取っていた名状しがたい気配――その「顔」の主は、三十年という時の堆積の底で、今なお深い沈黙を保っている。
暗がりで蠢く不可視の「顔」、その輪郭をいかにして現前させるか。その希求を起点として編まれた本稿の調査の軌跡は、事件の全貌を白日の下に晒すものではない。しかし、追尾者をめぐる複数の仮説に、関係性、年齢差、持続性、接点形成という新たな輪郭を与えるものとなった。
そもそも、彼女に違和感を覚えさせた「顔」が、彼女から未来を奪った犯人だと断定することはできない。
しかし、漆黒の輪郭を構成する無数の点の一つに、本調査報告が新たな視座という一条の光を投じるための、ささやかなる補助線となり得ることを切に願っている。
雨はいずれ止む。だが、濡れた時の流れに染み込んだ悲哀が容易に消え去ることはない。理不尽に奪われた彼女の人生と、遺された者たちの沈黙に澱む無念。あの雨の日の完全なる真実がいつの日か白日の下に晒されるのか、不可逆の時の流れは依然として沈黙を保ったままだ。
彼女と遺族の悲しみを、統計という数字の中に閉じ込めてはならない。
それでも、忘却という風化に抗い、暗がりに潜む名も与えられない「顔」へ眼差しを向け続けること。それこそが、現在を生きる我々に課せられたせめてもの責務であろう。
付録A 主要数値一覧
本付録では、本稿で使用した主要な統計値および研究データを一覧化する。
A-1 日本 警察庁2025
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 相談等件数 | 22,881件 |
| 被害者:女性 | 19,880(86.9%) |
| 被害者:男性 | 3,001(13.1%) |
| 加害者:男性 | 18,334(80.1%) |
| 加害者:女性 | 2,808(12.3%) |
| 加害者:不明 | 1,739(7.6%) |
| 交際・元交際 | 8,910(38.9%) |
| 知人・友人 | 3,059(13.4%) |
| 職場関係 | 2,757(12.0%) |
| 面識なし | 2,021(8.8%) |
| 配偶者等 | 1,392(6.1%) |
A-2 警察庁2015年度 文書警告176人 年代クロス
| 加害者\被害者 | 10代 | 20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代以上 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10代 | 8 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 8 |
| 20代 | 6 | 32 | 6 | 2 | 0 | 0 | 0 | 46 |
| 30代 | 4 | 22 | 18 | 5 | 0 | 0 | 0 | 49 |
| 40代 | 2 | 9 | 15 | 13 | 5 | 0 | 0 | 44 |
| 50代 | 0 | 4 | 2 | 10 | 2 | 0 | 0 | 18 |
| 60代 | 0 | 1 | 2 | 2 | 0 | 1 | 0 | 6 |
| 70代以上 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 | 5 |
A-3 年齢差に直接関係する研究
| 研究 | 標本 | 関係 | 年齢差 | 指標の種類 |
|---|---|---|---|---|
| 島田・伊原 2013 | M→F 67 | 交際歴なし | +11.1 | 群平均差 |
| 島田・伊原 2013 | M→F 123 | 交際歴あり | +4.2 | 群平均差 |
| 島田 2017 | 若年女性・元親密関係 | 被害あり | +3.61 | ペア平均差 |
| Roberts 2002 | 女性105 | 元男性恋人・stalking | +1.63 | ペア平均差 |
| Kamphuis 2001 | 女性201 | 主に元パートナー | −1.4 | 集団平均差 |
| Boon & Sheridan 2001 | 124事例 | 混合 | +3.2 | 集団平均差 |
| Senior 2023 | 175事案 | 非ドメスティック | +4.4 | ペア平均差 |
| Manaigre 2026 | 56被害者中該当関係 | 恋愛 | +1.0 | ペア平均差 |
| Manaigre 2026 | 同 | 元友人 | +0.2 | ペア平均差 |
| Manaigre 2026 | 同 | 家族 | +24.2 | ペア平均差 |
付録B 参考文献・資料
警察庁(2026) 「令和7年におけるストーカー事案、配偶者からの暴力事案等への対応状況」2026年3月19日。 https://www.npa.go.jp/bureau/safetylife/stalker/R7_STDVRPCA_kouhou.pdf
警察庁(2016) 「平成27年度警察庁委託調査研究 ストーカー加害者に対する精神医学的・心理学的アプローチに関する調査研究(II)」平成28年3月。 https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki/stalker/H27_researchreport.pdf
島田貴仁・伊原直子(2013) 「ストーカー・DV・デートDVの加害者・被害者像―男女間トラブルとその対処に関する研究(1)」日本心理学会第77回大会発表論文集, p.459. DOI: 10.4992/pacjpa.77.0_2AM-078. https://www.jstage.jst.go.jp/article/pacjpa/77/0/77_2AM-078/_article/-char/ja/
島田貴仁(2017) 「日本における若年女性のストーキング被害―被害者・加害者の関係と親密な関係者間暴力に注目して―」犯罪社会学研究 42, 106–120. DOI: 10.20621/jjscrim.42.0_106. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjscrim/42/0/42_106/_article/-char/ja/
Smith, S. G., Basile, K. C., & Kresnow, M.-j.(2022) The National Intimate Partner and Sexual Violence Survey: 2016/2017 Report on Stalking: Updated Release. CDC. https://www.cdc.gov/nisvs/documentation/nisvsStalkingReport.pdf
Australian Bureau of Statistics(2024) Stalking, Personal Safety Survey 2021–22. Released 16 October 2024. https://www.abs.gov.au/statistics/people/crime-and-justice/stalking/latest-release
Bureau of Justice Statistics Perceived age of stalking offender, by age of victim, Supplemental Victimization Survey 2006, Appendix Table 1. https://bjs.ojp.gov/library/publications/perceived-age-stalking-offender-age-victim
Roberts, K. A.(2002) Stalking Following the Breakup of Romantic Relationships: Characteristics of Stalking Former Partners. Journal of Forensic Sciences, 47(5), 1070–1077. DOI: 10.1520/JFS15514J. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/12353550/
Kamphuis, J. H., & Emmelkamp, P. M. G.(2001) Traumatic Distress Among Support-Seeking Female Victims of Stalking. American Journal of Psychiatry, 158(5), 795–798. DOI: 10.1176/appi.ajp.158.5.795. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11329404/
Boon, J. C. W., & Sheridan, L.(2001) Stalker Typologies: A Law Enforcement Perspective. Journal of Threat Assessment, 1(2), 75–97. DOI: 10.1300/J177v01n02_05. https://www.ojp.gov/ncjrs/virtual-library/abstracts/stalker-typologies-law-enforcement-perspective
Mullen, P. E., Pathé, M., Purcell, R., & Stuart, G. W.(1999) A Study of Stalkers. American Journal of Psychiatry, 156(8), 1244–1249. DOI: 10.1176/ajp.156.8.1244. https://doi.org/10.1176/ajp.156.8.1244
Mohandie, K., Meloy, J. R., McGowan, M. G., & Williams, J.(2006) The RECON Typology of Stalking: Reliability and Validity Based Upon a Large Sample of North American Stalkers. Journal of Forensic Sciences, 51(1), 147–155. DOI: 10.1111/j.1556-4029.2005.00030.x. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16423242/
McEwan, T. E., Mullen, P. E., & MacKenzie, R.(2009) A Study of the Predictors of Persistence in Stalking Situations. Law and Human Behavior, 33(2), 149–158. DOI: 10.1007/s10979-008-9141-0. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/18626757/
Senior, J. M.(2023) Non-Domestic Stalking: An exploration of the impact of policing interventions. PhD thesis, The Open University. https://fass.open.ac.uk/social-policy-criminology/postgraduate-research/completed-students
Sheridan, L. P., Scott, A. J., & North, A. C.(2014) Stalking and Age. Journal of Threat Assessment and Management, 1(4), 262–273. DOI: 10.1037/tam0000023. https://ro.ecu.edu.au/ecuworkspost2013/1427/
Manaigre, E., & Nijdam-Jones, A.(2026) A Comparison of Online and Offline Stalking Behaviors Among University Students. Journal of Threat Assessment and Management, advance online publication. DOI: 10.1037/tam0000265. https://doi.org/10.1037/tam0000265
Suzuki, T.(2024) A survey on the reasons why victims of stalking did not exhibit help-seeking behavior: a text-mining analysis. BMC Psychology, 12, 515. DOI: 10.1186/s40359-024-02035-7. https://doi.org/10.1186/s40359-024-02035-7
Cho, S., Kim, C., & Gatewood Owens, J.(2023) Understanding of factors associated with reporting to the police, helping seeking, and adopting in self-protection among stalking victims: a latent class analysis. Psychosocial Intervention, 32(3), 141–154. DOI: 10.5093/pi2023a5. https://doi.org/10.5093/pi2023a5
Wengloski, C. E., & Cleary, H. M. D.(2025) Help-Seeking from Victim Services, Personal Networks, and Reporting to Police: Stalking Victim Behaviors from the 2019 NCVS Supplemental Victimization Survey. Journal of Interpersonal Violence, 40(15–16), 3526–3547. DOI: 10.1177/08862605241268773. https://doi.org/10.1177/08862605241268773
Huntley, A. L., Potter, L., Williamson, E., Malpass, A., Szilassy, E., & Feder, G.(2019) Help-seeking by male victims of domestic violence and abuse (DVA): a systematic review and qualitative evidence synthesis. BMJ Open, 9(6), e021960. DOI: 10.1136/bmjopen-2018-021960. https://doi.org/10.1136/bmjopen-2018-021960
Morishita, J., Yasuda, M., & Suda, S.(2024) Help-seeking behavior of male victims of intimate partner violence in Japan. Psychiatry and Clinical Neurosciences Reports, 3, e70013. DOI: 10.1002/pcn5.70013. https://doi.org/10.1002/pcn5.70013
埼玉県(2026)「男性DV被害者のための電話相談を開設します―男性DV被害者への支援の促進―」2026年7月7日。 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0309/news/page/news2026070701.html
毎日新聞「事件がわかる上智大生殺人放火事件」2022年8月25日配信
https://mainichi.jp/articles/20220824/osg/00m/020/002000d
資料評価メモ
| 資料 | 位置づけ |
|---|---|
| 警察庁2025、CDC NISVS、ABS PSS | 全国規模の公的統計として、被害者・加害者の性別構成および関係類型の把握に用いる。年齢差の直接クロス集計は限定的。 |
| 島田2017、Roberts 2002 | 元親密関係事案における被害者―加害者間の年齢差を検討する主要資料。いずれも査読研究。 |
| 島田・伊原2013 | 交際歴別の年齢差を示す日本資料。大会報告、単一県警、短期間の相談事案を対象とする。 |
| 警察庁2015 | 実事案における被害者―加害者の年代クロスを示す資料。文書警告対象事案に限定される。 |
| Senior 2023 | 非ドメスティック事案における年齢差を示す比較資料。博士論文、地域警察標本。 |
| Mullen、Mohandie、McEwan | 被害者―加害者関係、事案の持続性、脅迫・暴力リスク等の検討に用いる。一般人口における年齢差推計には用いない。 |
| Suzuki 2024、Cho et al. 2023、Wengloski & Cleary 2025 | 援助希求、警察通報、制度到達過程の検討に用いる。警察把握事案の男女比と社会全体の被害発生比を区別するための方法論資料。 |
| Huntley et al. 2019、Morishita et al. 2024、埼玉県 2026 | DV・IPVにおける男性被害者の援助希求および制度アクセスを検討する補助資料。ストーキング被害の男女比推計には直接用いない。 |


























