岡山県津山市19歳会社員失踪事件(中山裕貴さん行方不明事件)

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岡山県津山市19歳会社員失踪事件 概要

2019年8月26日(月曜日)、岡山県津山市の土木関連企業の社員で、保守点検業務に就いていた中山裕貴さん(なかやま ひろたかさん・以下裕貴さん・当時19歳)はその日、4月に入社したばかりの職場に姿を見せなかった。事前または当日の連絡はなく、いわゆる無断欠勤であった。

裕貴さんは2019年3月に岡山県岡山市の工業高校を卒業後、新卒で入社して以降、真面目な勤務態度で知られており、前の週である8月19日から23日も特に変わった様子もなく働いていたという。上司であるY氏の言を借りれば、「新入社員でもあるので、責任あるような仕事はさせていなかった。先輩について一生懸命やっていたような状況だった」との事であった。

裕貴さんは就職と同時期から職場付近のアパートで一人暮らしを始めており、初めての無断欠勤と、連絡が取れない事を心配した会社から知らせを受けた、岡山市内の実家に暮らす母親J子さんは、そのアパートの部屋に駆けつけたが、やはり室内に裕貴さんの姿はなく、洗濯物が散乱していた。普段使っているバッグ(画像では有名アウトドアブランドの黒いリュックのように見える)も床に置かれたままだった。

机の上には主に一円〜十円の少額硬貨が無造作に置かれており、それだけでは財布に入り切らなくなった小銭をとりあえず置いただけのようにも見えたが、更に室内を調べると、就職祝い等6万円の現金が残されており、また、裕貴さんの銀行口座には80万円近い残高の預金が、出金された形跡もなく残されていた。

失踪以後も、口座のお金の動きは携帯電話の基本料金が毎月自動引き落としされる程度に留まっている。

裕貴さんが8月23日(金曜日)21時過ぎに職場を退勤した後、休日である24日(土曜日)、25日(日曜日)の間、行動を共にした者、接触した者がいたかどうかは不明である。ただ、25日0時頃(24日深夜)には自宅アパートのある津山市のコンビニで買い物をした形跡があり、少なくとも25日の朝までは自宅かその付近で過ごしていたようである。

普段、裕貴さんは愛用の自転車で外出する事が多かったが、25日14時頃には、裕貴さんが自宅から電車で二時間程度の距離があるJ R新見駅付近のコンビニで買い物をした形跡が見つかっている。自転車は自宅に残されたままだった。

裕貴さんは自分の車を所有していなかった為、徒歩で自宅最寄り駅であるJ R東津山駅へ向かい、J R西日本・姫新線に乗ったとすると、25日9時26分に東津山駅を出発する9時31分J R津山駅到着予定の列車で津山駅へと向かい、ついで10時05分津山駅始発・11時47分新見駅着の列車に乗り継いだ可能性が高い。(次の列車は東津山駅11時58分発12時02分津山駅着、12時46分津山駅始発・14時26分新見駅着である。14時頃、新見駅付近のコンビニで買い物をするには少し遅いように思う。)

25日14時頃、新見駅付近のコンビニで裕貴さんが購入したのは、一人分のコンビニ弁当と飲み物であった。Q Rコード決済サービス(PayPay)での購入履歴が残っている。昼食としては遅めではあるが、これは前日の深夜、コンビニで購入したのは夜食であったという事なのかもしれない。実際、机の上に小銭と共にお菓子とコンビニの袋が置かれたままになっている画像を確認する事ができる。

25日15時頃には、裕貴さんは新見駅の窓口で、そこから50km程の距離があるJ R伯備線江尾駅(鳥取県)までの片道切符(乗車券と特急券・合計1750円)を購入したという。特急券は岡山駅−米子駅間で運行されている「特急やくも」のものとされるが、江尾駅は特急停車駅ではない為、その二駅前であるJ R根雨駅で停車する、新見駅15時8分発の「特急やくも15号」に乗り込んだ可能性が高い。その場合、根雨駅で下車し、同駅16時20分発J R伯備線米子行普通列車に乗り換えたものと考えられ、江尾駅への到着予定時間は16時28分という事になる。

この時、新見駅の監視カメラに捉えられた、特急へと乗車する姿が、現在の所裕貴さんの最後の目撃情報となっている。

特急の停車駅ではない江尾駅までの乗車券を敢えて購入している事から、裕貴さんは江尾駅周辺に特別な用事があり、そこで下車しなければならない事情があったものと推測されている。駅周辺には江美城跡や江美神社等、見どころや宿泊施設が存在しない訳ではないが、25日に開催されていたイベント等は知られていない。

江尾駅は駅舎内に商工会議所が入居しており立派な外観であるが、駅としての実態は簡易委託駅であり駅員は常駐しておらず、監視カメラ等も設置されていなかったようで、裕貴さんが江尾駅で実際に下車したという確証は得られていない。

しかし、同じルートを逆に辿って帰宅しようと考えた場合、江尾駅17時18分のJ R伯備線生山行普通列車に乗車して根雨駅18時39分発の「特急やくも28号」に乗り込まなければ、J R姫新線の新見駅発津山駅行きの終電19時50分発に間に合わず、即ち江尾駅周辺に滞在できる時間は一時間も無い為、計画的な日帰りひとり旅で江尾駅を訪れた可能性は考えにくい。

よって、急な呼び出し等で何者かと待ち合わせ、帰りは車で送ってもらうつもりでいたか、

顔を合わせればワンアクション(謝る・お金を授受する等)で解決可能な問題であったか、あるいは当初から、少なくとも翌日は出勤する気が無かったという事になる。

裕貴さんはスマートフォンもパソコンも所持しており、予め交通機関での発着時間や所要時間、終電を調べる事は十分可能であっただろう。

本来、新見駅−江尾駅間はJR伯備線の普通列車一本で安価に(乗車券990円のみ)移動が可能な区間であり、特急が止まらない江尾駅が目的地の場合、「特急やくも」を使っても、普通列車との乗り換え時間を含めると普通列車単体で移動した場合との所要時間は一時間半程度とほぼ変わらなくなってしまう事も多いのだが、(但し、普通列車は時間帯によっては本数が少ない為、出発時間自体が遅くならざるを得ない事がある)、「特急やくも」を使えば乗り換えの手間と特急券分(760円)の費用と引き換えに出発時間(と到着時間)を普通列車よりも早める事が可能な場合があるという事(一言で言うと新見駅に14時台到着の場合、江尾駅に最も早い時間に到着できるのが「特急やくも15号」を用いたルートであること)は、乗換検索アプリ等を活用しなければ気づきにくいように思われるし、スマートフォンを使えば仮に月曜日は出勤できなくなったとしても、方便として、翌朝、自宅からと言う体裁で、体調不良を装う等して会社に一本欠勤の連絡を入れる事も可能であっただろう。

しかし、裕貴さんはそのまま一切の消息を絶ってしまった。スマートフォンは電源が切られたままの状態であり、家族や友人達が送るL I N Eのメッセージにも既読がつくことは無いのだという。

母親J子さんの知っている範囲では、裕貴さんは江尾駅やその周辺に何らかの思い入れや縁は無かったとの事で、なぜそこへ向かったのか理由が全く分からないのだという。

裕貴さんの失踪一週間程前に一緒に旅行に出掛けた高校時代からの友人Fさんも失踪の理由については心当たりが無いという。旅行先は江尾駅のある鳥取県であり、「特急やくも」やJ R伯備線の終着駅のある米子であったが、江尾駅についての話題が出るような事も無かった様であり、仕事や人間関係についての悩みを語り合う事も無かった。むしろボーナスの使い途等、楽しい事の話ばかりだったという。

家族は津山警察署へ行方不明者届を提出し、失踪から2ヶ月半程経った2019年11月にはインターネットT V局である「A B E M A」にて裕貴さんの失踪が有料ニュース番組として放送された。母親J子さんは「ただ連絡がほしいだけ、みんな心配している」と涙ながらに訴えたが、2023年5月現在、有力な情報は寄せられていない。

手がかりとその検討

ここからは、「岡山県津山市19歳会社員失踪事件(中山裕貴さん行方不明事件)」の手がかりとその検討について考えてみよう。

中山裕貴さんについて

裕貴さんは身長176cm、体重64kg程と健康的な体格であり、卒業アルバムのものと思しき顔写真では明るい笑顔を見せている。黒髪短髪の髪型や黒縁眼鏡は流行りの要素はないが無難なもので、人混みに溶け込みやすいと言って良いかもしれない。言い換えれば髪を染め、コンタクトレンズを入れるなどすればかなり見た目の印象を変える事が可能であろうとも思われる。

当日の服装は白い半袖のTシャツ、グレーの七部丈パンツ、黒のスニーカー、紺地で上半分が白い肩掛け鞄という装いで、母親J子さんによると最近のお気に入りの格好であったという。その為女性に呼び出されたのではないかという推測がされる事もあるが、江尾駅で待ち合わせるような女性の心当たりは母親や友人達には無く、そんな女性がいたとしてもS N Sやマッチングアプリ上だけの関係であり、所謂リアルの人間関係の調査からは浮上して来ない可能性が高い。

所持品は長財布とスマートフォン(iPhone6sであると考えられている)で、以前使っていたiPhone6や個人使用のP C(O SはWindows10)は自宅に残されたままになっている。旧iPhoneの中身を復元するか、P Cのログインパスワードを回避または解読する等して裕貴さんの個人情報にアクセスする事ができれば、ネット上での交友関係が明らかになると期待されている。

机の上にはiPhone用の充電ケーブルや目薬といった、少し長めの外出が予想される場合には持ち出すのでは無いかと思われる小物も小銭と一緒に放置されており、やはり当初は日帰りレベルの短時間での外出を想定していた事が伺える。

所持金は失踪の一週間ほど前に五万円を引き出した履歴が後日記帳されており、食費・光熱費等の生活費をそこから幾らか支払ったとしても、二万円程度は財布に残っていたのではないかと考えられる。

裕貴さんは一人暮らし、かつ社会人になって5ヶ月程度にも関わらず80万円近い預金残高があり、金銭感覚は堅実で、ギャンブル等であるだけお金を使ってしまい、借金で首が回らなくなって夜逃げしてしまうような事態とは無縁の人物のようである。友人には「ボーナスが入ったら自分の車が欲しい」と話しており、欲しい物を我慢できないような衝動性も見受けられない。

裕貴さんはL I N Eは使用していたが、家族や友人達が把握している限りはS N Sのアカウントを所持していないという。しかし、匿名かつリアルバレさせない前提のアカウントを作成、使用している者など昨今珍しくも無いであろう。

趣味はゲーム、特にオンラインゲームであり、普段からボイスチャットをしながらゲームをプレイしていたという。その為、ゲームで知り合った仲間から急な呼び出し等があって会いに行ったのではないかとも推測されている。

近年のオンラインゲームで、特に仲間とチームを組んで対戦を行うようなスタイルのものでは課金要素を避けて通れないように思われるが、そのような金銭の動きは無く、節度を持って楽しんでいたようである。逆に言うと、所謂「ガチ勢」同士のマウント争いであるとか、希少アイテムの配分を巡る諍い等に巻き込まれた可能性というよりは、趣味仲間と雑談したり、リアルの友人や家族には相談しにくい悩みを相談等している内に親愛の情が昂じて……という可能性の方が高いのではないかと思われる。

8月25日の行動について

裕貴さんは25日に日付が変わる深夜の時間帯にコンビニへ外出しており、とてもその日に前もって江尾駅まで遠出する予定を立てていたとは思われない。

あらかじめの予定があったとすれば、早めに就寝して始発で出発した方が江尾駅への到着時間を早める事が出来、従って帰りの時間にも余裕ができた筈である。何者かが呼び出したとすればそれから裕貴さんが一眠りした朝方、しかも突発的なものであろう。

25日の裕貴さんは、溜まった洗濯物を片付けて明日以降の出勤に備えようと考えていたかもしれない。しかし、乗換案内アプリ等で移動経路を調べた時点で、恐らく当日中に帰宅できない可能性も頭のどこかにあったのだろう。自転車を駅に駐輪せず、自宅に残して行ったのは、自分の自転車が放置自転車として取り扱われることを忌避したことの現れであろうか。

その日の津山市の最高気温は30℃近くまで上がり、日差しも弱くは無かったが、決して接続が良いとは言えず、快適とは言えない待ち時間も少なからず発生する公共交通機関を乗り継いで、時刻表通りに恐らく江尾駅を目指している。

特急料金を支払ってまで、可能な限り早い時間に到着できるよう計らっている様子は、どこか信念や忠誠心のようなものを感じさせ、自分自身が社会生活に疲れて心を病み、現在の生活を捨てて自由に生きたいとか、逃げ出してしまいたいが為の行動というよりは、やはり友人や仲間の力になりたいと考えて行動しているのではないかと思わせるところがある。

誰かに会いに行った理由は相手が何らかの困った状況に置かれており、助けを求められたからではないかと見ることもできる。

目的地である江尾駅について

一方、裕貴さんを呼び出した側にはどのような背景が想定されるだろうか。

まず、現実ではこれまで接点の無かった人物である事は間違いないであろう。家族や、一緒に旅行に行く程の友人さえも、江尾駅に裕貴さんを呼び出す知人の心当たりやその理由については首を捻るばかりである。

近年の未解決事件にも、Web上やS N S上で構築された人間関係の匿名性が捜査機関の手に余り、追跡しきれなかった事が迷宮入りの原因と思われるものが散見される。

しかし、江尾駅への呼び出しを行った相手が最初から何らかの悪意や敵意を抱いていたかというと、その可能性も低いように思われる。

その理由は、まず裕貴さんを呼び出している事それ自体である。

例えば、筆者が裕貴さんのアパートに出向いた場合であれば、リアルでの接点が全く無いのであるから、連絡を取る為に使った裕貴さんのスマートフォンやその情報が同期される可能性があるP C等の機器類を持ち出し、室内に残した指紋等の個人情報を隠滅すれば、筆者まで辿り着ける可能性は限りなく低くなる。

しかし、筆者が裕貴さんを呼び出してしまえば、裕貴さんがアパートの部屋に残していく筆者についての情報をもはやコントロールすることができない。

オンラインゲーム仲間であれば出先でもゲームをしようと誘ってP Cを持ち出させる事は可能であるかもしれないが、他に同期するデジタル機器が無いとも限らず、部屋から持ち出さないのだからとその機器にはパスコードロックをかけない等、機器のセキュリティレベルさえ思い通りにはいかないだろう。

次に、江尾駅を待ち合わせ場所に指定したと思われる点である。彼(彼女)が駅の関係者や警備担当者でも無い限り、江尾駅内外に監視カメラが設置されていないという確信が持てるとは思われない。

江尾駅の駅舎は下手な特急停車駅よりも立派な駅舎であり、公益法人が入居する等それなりの警備レベルが予想される佇まいである。

江尾駅のgoogleストリートビュー 2018年7月撮影

例えば、江尾駅からわずか2km程度しか離れていない隣駅の武庫駅は完全な無人駅であり駅舎も待合室程度の大きさで、1日の利用者も江尾駅の半分程度と、遥かに江尾駅よりも、後ろ暗い目的で用いる場合は「安全な」呼び出し場所であろう。

結果的に裕貴さんのP C等から情報が取り出されることは無く、江尾駅にも監視カメラは設置されていなかった為、待ち合わせの相手どころか裕貴さんが江尾駅で降りたかどうかさえも不明のままであるが、これは待ち合わせ相手にとって単なる僥倖であり、会合場所が新見駅のような監視カメラ設置駅であれば、既に裕貴さんの行方、少なくとも待ち合わせ相手の姿は映像で捕捉されていたものと思われる。

裕貴さんの失踪は2019年であり、待ち合わせ場所の詳細は予め地図アプリ等で調べる事が可能である為、あまりにも寂しい場所は警戒されてしまう恐れもあるが、まだ空が明るい時間帯であり、交通の便的に呼び出し相手は車で迎えに来る事が想定される為、相手の車に乗り込める程の信頼感があるのであれば、単なる目印として受け入れさせる事は可能であろう。

真相考察

その日も裕貴さんは仲間とオンラインゲームに興じていた。

当初、仲間たちはお互い本名も居住地も知らない相手がほとんどで、それに不満を持った事も無かったが、Web上だけの付き合いとは言えども、知り合ってからの期間が長くなれば、もう少し互いのプライベートも知りたくなるのは自然な心理であり、互いの身の上も少しずつ語り合うようになっていた。

そんなある日、何かの雑談のついでに、隣の県である鳥取県に住んでいる者がいる事が判明した。先日米子まで旅行に行った事や、ボーナスが入ったら車を買いたい。欲しい車は安価ではないけれど、今の貯金額と合わせれば一括で買えるかもしれない。などと裕貴さんは既に話してしまっていた。今度会ってみようかといかにも無邪気そうに相手は口にし、裕貴さんもそれに同意したが、相手の目的は友情だけでは無かった。

友達とお金を貸し借りした時点で、既に真っ当な友情関係は壊れてしまっていると考え、友達とのお金の貸し借りを蛇蝎のように忌み嫌う者もいれば、友達ならお金を貸してくれて当たり前だと考える者もいる。「困った時はお互い様だろう」と彼らは気軽に口にするが、常に困窮しており、力を貸してくれと縋りついてくることはあっても力を貸してくれる側になる事はまずない。

8月25日朝、裕貴さんのS N Sに「困っている事がある。会って話を聞いてほしい」とメッセージが届いていた。相手を大切な仲間だと考えていた裕貴さんは、明日の仕事に響いてしまうことも覚悟で指定された江尾駅へと向かった。江尾駅は相手が自称する居住地と自宅との中間くらいの地点であり、遠くはあるが大儀だとは思わなかった。

相手とは無事合流することができ、車内で歓談しているうちに悩み事の話になった。話には色々と枝葉がついており同情を誘うような要素が無くはなかったが、要はお金を貸してほしいという話であったかもしれない。

裕貴さんは悩んだだろう。

急な要請に、少し考えさせて欲しいと話を打ち切って、帰りの電車がある内に駅に戻ろうとした裕貴さんではあったが、相手は裕貴さんが期待通りに動かない事に激昂して話を聞く耳を持っていないようだった。

その手には本来護身用に用意していた凶器が密かに握られていたかもしれない。

裕貴さんは相手を宥めすかしながら、安易にWebだけの付き合いの相手を信用して二人きりで会ってしまった事を既に十二分に後悔していたが、自宅に帰れなくなる可能性については、その時が来るまでついに思い至る事がなかっただろう。

倫理的問題

裕貴さんが自宅に置いて行ったP Cや古いスマートフォンの中には、家族や高校時代からの友人さえ知らない交友関係が残されている事が期待されているが、解析は進んでいないようだ。

その理由は業者に依頼するための費用が嵩むからであるとも、母親J子さんが誕生日等から推測して入力したログインパスワードで複数回入力失敗しアカウントロックがかかってしまい解析の難易度が跳ね上がった為とも言われているが、現実的な話、仮に裕貴さんの個人P Cのアカウントにログインできた所で、オンラインゲームの仲間たちにどこまで近づけるかは微妙なところである。

彼らの本名や電話番号、住所等が正しく記録されている可能性はほぼ無い。

失踪直後であれば、オンラインゲームのクライアントにログインして、チャットログやフレンドリストからある程度交友関係に迫る事はできたかも知れないが、彼らが真実を語るかどうかはまた別の話であるし、失踪から4年が経とうとしている2023年6月現在では裕貴さんのゲームアカウントが維持されているかも疑問であり、下手をするとゲームサービス自体が既に終了していてもおかしくない。

裕貴さんが秘密裏に取得していたS N Sアカウントや、ボイスチャットのログを漁ることも技術的には不可能ではないのかも知れないが、そうして仮に江尾駅に彼を呼び出した何者かの仮の名前が判明した所で、その正体に迫る事がどのくらい可能なのであろうか。

どうにも雲を掴むような話である上に、そもそもその一つ一つが、本来は裕貴さん以外のアクセスが許されないサービスであり、仮に裕貴さんが何らかの犯罪行為に巻き込まれておりその解決に必要な情報であったとしても、本人が解析を望むのかと言う疑問を挟む余地が常に存在する。

法的にはいくらでも抜け道が存在するのだろうが、倫理的な問題の解決は、失踪者の発見と同程度か、それ以上に容易ではない。

中山裕貴さんが発見され、可能であればこの問題について見解を述べてくれる日が訪れる事を、切に願っている。


◆参考資料
・『J R版西日本時刻表2019年8月』株式会社交通新聞社,2019年7月20日発行
・母「ただ連絡がほしいだけ」一人暮らしを始めてわずか4カ月…お金も持たず、駅で消息を絶った息子,A B E M A T I M E S,2019年11月14日


◆独自視点の行方不明・失踪事件(事案)考察シリーズ


Tokume-WriterWebライター

投稿者プロフィール

兼業webライターです。ミニレッキス&ビセイインコと暮らすフルタイム事務員。得意分野は未解決事件、歴史、オカルト等。クラウドワークスID 4559565 DMでもご依頼可能です。

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