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タグ:映画
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映画『ウーナ』作品解説:子供の頃に受けた傷が影響するもの
本作は見ているのが辛くなる作品である。過去の記憶に捉われ、どうしようもない閉塞感を味わう女性の姿だ。多くの人に勧められる作品ではない。しかし女性であれば、ウーナの気持ちのどこかしらに共感できるものがあるはずだ。拒否感がないならば、かつて少女だった女性に見て欲しい作品である。 -
映画『レオン』考察:植木鉢の観葉植物
1994年に公開された『レオン』は、リュック・ベッソン監督によるフランスのアクション映画である。ニューヨークを舞台に、孤独なプロの殺し屋レオン(ジャン・レノ)と、家族を殺された少女マチルダ(ナタリー・ポートマン… -
映画『タクシードライバー』深掘り考察: 都市の孤独と救済の模索
1976年に公開されたマーティン・スコセッシ監督の映画『タクシードライバー』は、アメリカ映画史において特異な位置を占める作品である。この映画は、ニューヨークを舞台に、退役軍人のタクシードライバー・トラヴィス・ビ… -
女性から見た女性の本質~映画『ザリガニの鳴くところ』解説~
沼がある。ジメジメとして、鬱蒼として暗い。人間が住む世界とは、少しばかり違う世界だ。 沼がある。水を豊富に湛えた、生命に満ち溢れた世界だ。 このように、沼は相反する二つの顔を持っている。そして、今回… -
考察:映画『チェンジリング』実話に基づく衝撃作とイーストウッド
映画『チェンジリング』は、1920年代のロサンゼルスを舞台にした映画である。監督クリント・イーストウッド、主演アンジェリーナ・ジョリーの本作は、実際の事件「ワインヴィル鶏小屋事件(ゴードン・ノースコット事件)」… -
映画『ゴジラ-1.0』が描く人間と破壊:考察~「対抗できないほどの破壊」にみまわれたとき、人間はどうするのか~
「ゴジラ」といえば、日本が誇る怪獣の1体だ。シリーズ作品の数も多く、子供の頃にワクワクしながら見てきた大人たちも多いことだろう。 今回取り上げるのは、そんなゴジラシリーズの最新作『ゴジラ-1.0』だ。本作… -
映画『フォレスト・ガンプ』考察:人間は運命とともに風に乗ってたださまよう
風に弄ばれ揺れ落ちながら、1枚の鳥の羽がバス停のベンチに座るガンプの汚れた白いナイキのスニーカーに優雅に舞い降りた。ガンプはその羽を優しく拾い上げ、子どもの頃からの愛読書であり、後に自分の子どもに贈る絵本に慎重… -
『パラサイト 半地下の家族』と『プラットフォーム』、2つの映画から社会の階層を見る
名目上は「無い」と言いつつも、確実に、社会の中に根付いているものがある。それが、格差であり階層だ。 人間社会で生きていれば、他者との生活環境の違いを感じたことがあるはずだ。日々の生活にかけられる金額の差。… -
映画『ナイトクローラー』考察:メディアの商業主義を考える
映画『ナイトクローラー』は、反社会的な人格を持つ青年ルイス・ブルームの「悪」のサクセスストーリーともいえる映画だ。 2014年に公開された本作は、一般的にサイコ・サスペンスに分類される。 だが、強烈… -
映画『彼女は夢で踊る』:銀幕で永遠に生き続けるストリップ劇場
ストリップという言葉に触れたとき、どのようなイメージが浮かび上がるでしょうか。 寂れた温泉街の劇場。繁華街の路地裏にある異空間。昭和への邂逅。踊り子の人生と観客の人生の交差点。スポットライトに浮かび上がる…