
2026年1月10日
本調査報告は、2026年1月10日に北海道沙流郡日高町で発覚した、飲食店経営者による凄惨な死体遺棄事件について詳述するものである。行方不明届が出されていた20代女性が、飲食店内の壁の中から変わり果てた姿で発見されるという異常な事態は、地域社会のみならず全国に大きな衝撃を与えた。
公開情報を基に事件の全容と被疑者、店舗の状況、そして今後の捜査の焦点について論じる。
事件の時系列チャート(2025年12月~2026年1月)
| 日付・曜日 | 出来事 | 状況 |
| 2025/12/31(水) | 被害女性の所在が不明(事件発生の可能性) | この頃、松倉容疑者が自身が経営するバーに遺体を遺棄した疑い |
| 2026/01/01(木) | 親族(祖母)より警察に行方不明者届が提出される | 警察による周辺捜査の開始 |
| 01/02- 01/09(金) | 女性の交友関係から松倉容疑者が浮上 | 警察による継続的な任意での事情聴取と周辺状況の確認 |
| 01/10(土) | 未明、容疑者の供述に基づき店舗を捜索 | 壁の中から遺体を発見。死体遺棄容疑で松倉容疑者を逮捕 |
事件の推移と概要:年末の失踪から壁の中での発見まで
2026年1月10日(土曜日)未明、北海道警は日高町富川北一丁目の飲食店(BAR)において身元不明の女性遺体を発見し、同店を経営する松倉俊彦容疑者(49歳)を死体遺棄の疑いで緊急逮捕した。
事件の起点となったのは、同年1月1日に提出された行方不明者届であった。警察が女性の交友関係を中心に捜査を継続していたところ、知人関係にあった松倉容疑者の関与が浮上。任意聴取に対し、同容疑者は「死体を店内の壁の中に入れて隠した」と驚愕の自供を始めたのである。
警察が店舗を家宅捜索したところ、店内の壁の一部を板で塞いだ跡が確認され、その内部に位置する畳一畳分ほどの不自然な空間から遺体が発見された。遺棄されたのは12月31日頃と推定されており、発見に至るまでの約10日間、営業実態のある店舗内に遺体が隠匿されていたことになる。松倉容疑者は容疑を全面的に認めているが、密閉された空間への遺棄という執拗な隠蔽工作は、事件の異常性を際立たせている。
松倉俊彦容疑者について
死体遺棄の容疑で逮捕された松倉俊彦容疑者に関する調査において、注目すべき点は以下の通りである。
過去数十年分の報道アーカイブを遡及調査したが、松倉容疑者と判断できる人物が過去に重大な事件・事故に関与したという記録、あるいは刑事罰を受けたとする事実は確認されなかった。 なぜ今回、遺体の隠匿という極めて特異な行動に及んだのか。その心理的背景には、突発的な感情の爆発、あるいは計画的な殺意のいずれかが潜んでいると考えられ、さらに、被害者との関係性も今後の捜査の焦点となる。
現場店舗の分析:地理的環境と経営実態の調査
事件現場となった店舗(以下、飲食店イニシャル『B.L.L.』とする)の特性を多角的に分析する。
地理的背景と地域特性
日高町は人口約10,800人(2025年統計)を擁し、軽種馬の産地として名高い静閑な町である。飲食店『B.L.L.』が位置する富川地区は、旧JR日高本線の『富川駅』(2021年の同区間廃止に伴い廃駅、現在はバス代行)から北へ約400~500メートルという至近距離にあり、地域を南北に結ぶ幹線道路である国道237号沿いに所在する。
国道237号沿いは、住宅と商業施設が混在するエリアではあるが、鉄道の廃止が象徴するように過疎化の影響は色濃い。特に夜間には交通量・人通りともに極めて限定的となる。この静閑な地域環境が、店内で板打ちなどの造作を伴う隠匿工作を行っても周囲に察知されにくい要因の一つとなった可能性は否定できない。
開店時期と経営状況の推察
2018年7月撮影のGoogleストリートビューでは既に店舗外観が確認されており、2019年頃のクチコミでは「ダーツバー」「低料金で雰囲気が良い」との評がある。これらを根拠とすれば、同店は少なくとも7〜8年前(2018年頃)には開店しており、地域に一定期間定着していたことがわかる。
経営形態と情報発信の欠如
確認できる範囲で、松倉俊彦容疑者の経営法人及び、当該店舗名での法人登記は確認されず、個人事業主による小規模経営であったことが濃厚である。
また、FacebookやX(Twitter)といった主要SNSでの公式アカウントも確認できず、デジタル空間での情報発信は極めて限定的であった。
Googleマップ上にはユーザー投稿による内装写真が存在し、店舗構造の把握が可能であるが、捜査上の配慮と事件の凄惨性を鑑み、情報の掲載は割愛する。
想定される捜査項目
警察当局が今後進めると想定される主な捜査項目は以下の通りである。
①遺体の法医学的調査と個人識別
司法解剖を迅速に実施し、直接的な死因(窒息、外傷性ショック等)を特定する。同時に、DNA鑑定や歯型鑑定を用いて、行方不明となっている20代女性との同一性を法的に確定させる。遺体の腐敗状況や胃の内容物、体温の変化などから、殺害された詳細な時刻を分単位で割り出し、容疑者の供述との矛盾を精査する。
②殺傷能力のある凶器および現場の特定
店舗内外を精緻に捜索し、殺害に使用された可能性のある凶器(刃物、紐状の物体、あるいは鈍器など)の発見に全力を挙げる。また、壁の中に遺棄される前の「殺害現場」を特定するため、ルミノール反応を用いた血痕予備試験を店内のあらゆる箇所で実施し、犯行の具体的な形態を科学的に裏付ける。
③隠匿工作の計画性および資材の調達経路
遺体を隠した壁の加工に使用された工具(板、釘、バール、接着剤等)の入手経路を特定する。これらの資材を事件直前に購入していた場合、強い計画性が裏付けられる。また、壁を塞ぐという造作に要した時間を実験等で割り出し、容疑者がいつ、どのような手順で作業を行ったのか、その犯行プロセスの再現を試みる。
④デジタルフォレンジックによる通信解析
被疑者および被害者のスマートフォン、PC等の電子機器を差し押さえ、削除されたデータも含めて解析を行う。通話履歴、SNSでのやり取り、位置情報データ(GPS)を詳細に調査し、事件直前の二人の関係性や、トラブルの予兆、あるいは待ち合わせの約束などがなかったかを解明する。
⑤共犯者の有無および第三者の関与の有無
遺体を畳一畳分のスペースへ運び込み、壁を板で造作して封じ込めるという一連の作業は、相応の物理的労力を要する。そのため、単独犯であるか、あるいは何らかの形で手助けをした共犯者が存在しないかを慎重に見極める必要がある。店舗周辺の防犯カメラ(Nシステム等を含む)の解析や、事件前後の不審な人影、不自然な車両の出入りに関する目撃情報の収集が多角的に行われる。
⑥アリバイと営業実態の整合性確認
12月31日の事件発生から1月10日の逮捕に至るまでの約10日間における、店舗の営業日誌や売上伝票、クレジットカードの決済記録等を照合する。この期間中に来店した客への聞き込みを実施し、容疑者の接客態度や店内の様子に不審な点がなかったかを確認することで、犯行後の容疑者の心理状態と行動異常を裏付ける。
今後の捜査展望:殺人容疑の立件と空白の10日間
今後の捜査は、単なる死体遺棄から「殺人」への切り替えが最大の焦点となる。
死因の特定と再逮捕の行方
司法解剖により死因が判明し、致死行為の裏付けが取れ次第、殺人罪での再逮捕が行われる公算が高い。今後の捜査の進捗と警察からの発表が待たれる。
「空白の10日間」の心理状態
大晦日の遺棄から10日間の逮捕まで、松倉容疑者はどのように過ごしていたのか。もし平然と営業を続け、壁の裏に遺体を置いたまま客を接遇していたのであれば、その反社会性は極めて高いと評価される。この期間中の客の出入りや容疑者の言動の精査が、犯行の悪質性を裏付ける鍵となるであろう。
結語
本事件は、日常的な営みの場である「店舗」において、遺体を壁の中に封じるという類を見ない異常な手法で行われた。遺体を壁という閉鎖空間へ隠匿した動機が、単なる発覚の遅延を企図したものなのか、あるいはより深淵な心理的要因に根ざしたものなのかは現時点では判然としない。
静閑な日高町の市街地で、長年にわたり飲食店を経営してきた男が踏み越えた一線は、現代社会における人間関係の不透明さと、そこに潜む心の闇を鮮明に浮き彫りにした。凄惨な隠蔽工作の裏側にいかなる真実が隠されているのか、今後の捜査による全容解明が強く待たれる。
◆出典および参考情報一覧
- 報道資料(主要ソース)
本報告書の事実関係は、以下の報道機関による速報およびニュース記事に基づいている。
HTB北海道ニュース 「『遺体を壁の中に入れて隠した』行方不明の20代女性か 死体遺棄の疑いで49歳のバー経営者逮捕」2026年1月10日配信
北海道内各局・新聞社速報 「北海道日高町富川北での死体遺棄事件に関する速報記事(15:21配信分ほか)」2026年1月10日
- 独自調査資料(店舗・経営実態)
店舗の履歴および経営状況については、以下の公開データより照合・分析を行った。
Google ストリートビュー(2018年7月撮影) 当該地(日高町富川北一丁目)における店舗外観の存在を確認。
Google マップ ユーザー投稿・クチコミ 約7年前(2019年頃)の投稿内容(「ダーツバー」「低料金」等の記述)より、営業実態およびサービス形態を特定。
国税庁公開情報(個人事業主としての運営であることを推察)。
SNS主要プラットフォーム(Facebook, X, Instagram) 被疑者および店舗名義のアカウント検索(2026年1月10日調査時点で公式アカウント未確認)。
- 地理・統計および公共データ
現場周辺の環境分析および町政データには以下の情報を参照した。
日高町役場 統計資料 「日高町の人口・世帯数(2025年推計値)」および地域特性の確認。
JR北海道 プレスリリース・運行記録 JR日高本線(鵡川〜様似間)の廃止時期(2021年4月1日)および旧「富川駅」の現状確認。
地理院地図 / Google マップ 現場から富川駅跡および国道237号、国道235号までの距離計測・立地分析。
- 被疑者事歴の調査
過去のニュースデータベース・アーカイブ 2000年代〜2025年までの主要事件・事故記録、および地方報道の遡及調査。被疑者名に関連する過去の重過失、刑事罰の有無を確認(該当なし)。
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