
教員・教師・教諭などによる児童・未成年に対する性暴力事件が後を絶たない。また、近年に逮捕などされた教員・教師・教諭などの加害成人、被害者児童は男女の性別を問わない。
2021年度中に「児童・生徒にセクハラ・わいせつ行為で処分された教員は9年連続で200人を越えた」、「処分された公立小中高と特別支援学校、幼稚園の教員は215人」、「被害者やその保護者が望まないため告発しなかったケースが49件あった」(引用:「児童・生徒にわいせつ行為やセクハラ…教員215人を処分 21年度 9年連続200人越え 東京新聞2022年12月27日 20時24分配信」)と報道されている。
2021(令和 3)年1月18日召集の「通常国会第204回国会」では、議員立法「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」が衆参両院全会一致により成立、令和3年6月4日に交付された。
文部科学省も「本来、児童生徒等を守り育てる立場にある教員が、児童生徒等に対して性暴力等を行うということは、断じてあってはなりません。文部科学省では、この問題について、厳正かつ実効性のある対応を検討・実行してきています」(引用:「児童生徒等に対し性暴力等を行った教員への厳正な対応について」)などと児童に対する教員の性暴力への厳正対応を述べている。
出典:文部科学省/mextchannel YouTube チャンネル
2022年中に報道された教師・教員・教諭などによる性犯罪事例
2022年中に報道された教師・教員・教諭などによる性犯罪(性暴力)逮捕事例を挙げながら教員・教師・教諭などによる児童・未成年に対する性暴力事件を考えていこう。
東京都江東区立小学校教諭による教え子への性的暴行事件
2022年4月2日、10年前の性的暴行事件の容疑者としてK容疑者が逮捕された。逮捕の容疑は2012年5月31日(木)15時頃に発生した当時10代女児に対する性的暴行の容疑である。被害者の女性(当時10代)は、K容疑者の元教え子との報道も散見され、また、K容疑者は、今回の性的暴行(2017年の刑法改正により現在は強制性交等罪)容疑での逮捕が3回目の逮捕である。過去の2回(1回目の逮捕は、2022年2月12日、2回目の逮捕は、2022年3月7日。その後、起訴の報道がある)の逮捕は、K容疑者の当時の勤務先だった都内公立小学校の教室内での盗撮(「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)違反の容疑であり、被害者は当時小学1年生だった複数の女子児童だといわれる職業的立場を利用した悪質な事件だ。
K容疑者は10年前の事件行為のあと、かつての教え子に「2人の秘密」と口止めしていたとの報道もある。(参考:「元教え子に乱暴 容疑の男再逮捕 警視庁、時効1か月前」読売新聞 2022年4月2日付)
また、K容疑者は、過去2回の逮捕時と同様に今回の逮捕容疑に関して「話すことはない」など語っているようである。
近年、性犯罪の厳罰化(「適正化」ともいわれる)が進み、教師と生徒、医師と患者や仕事関係の上司、部下など立場を利用した性犯罪に厳しい批難が集まるなか、2022年4月1日、「教育職員等による児童生徒性暴力等の防止等に関する法律」も施行された。時効寸前(事件の発生は、2012年5月31日)の容疑での3回目の逮捕から警察の性犯罪の抑止などに関する強い意志が感じられるともいえそうだ。
K容疑者には、過去2回の逮捕(その後、起訴の報道がある)があり、同2回の逮捕の容疑は、当時の勤務先だった都内公立小学校教室内での盗撮事件(「児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関する法律」)である。
上記2事件の捜査過程(家宅捜索など)で、K容疑者の自宅にあったPCデータから、今回の事件が発覚したようだ。2022年3月7日のK容疑者逮捕の報道に「スマホからは同様の静止画や動画のデータが計13点見つかっており、同庁がほかにも被害者がいるとみて調べている(引用:朝日新聞 2022年3月8日)」とあり、1回目の逮捕(2022年2月12日)から2勾留後の2回目の逮捕(2022年3月7日)、さらに、その後起訴からの今回の逮捕(2022年4月2日)と、逮捕が繰り返されている。なお、引用中の同庁は警視庁のことである。
また、一部の報道によれば、K容疑者は、以前の勤務先公立小学校でも問題を起こしていたなども散見されるため、K容疑者の過去の犯罪報道について確認したが、K容疑者の過去の犯罪報道は確認できなかった。このことから、以前の勤務先公立小学校での問題は刑事事件化していないと思料され、教師、教員、教諭による犯罪行為の表面化(加害者の検挙と被害者救済)の難しさを感じてしまう。
前述のとおり、性犯罪の厳罰化(「適正化」)が進んでいる。以前は親の所有物のような扱いだった児童の個人の権利を守ろうとする風潮がそれを後押ししている。また、立場を利用した性犯罪は厳しく批難される風潮も形成された。それらのこともあり、立場を利用した最も卑劣な犯罪の一つともいわれる教師から児童への性犯罪に対する警察の積極的な捜査が行われているようだ。
教師などの立場を利用したと思われる性犯罪の容疑で逮捕された2022年1月1日から2022年4月5日までの主な過去の報道は以下のとおりである。なお、下記の逮捕者のなかには、その後、不起訴処分(詳細不明)になった者もいるため注意が必要である。
2022年1月12日 | 31歳の大阪市の教諭が10歳未満の児童の裸などを撮影した児童買春・児童ポルノ禁止法違反(製造)の容疑で逮捕される。 |
2022年1月12日 | 29歳の東京都板橋区立小学校教諭が教え子児童3名に対する強制わいせつ容疑で再逮捕される。なお、逮捕は4回目 |
2022年1月18日 | 30歳の京都府立高校教諭が勤務先高校の生徒に猥褻画像を送らせた京都府迷惑行為等防止条例違反(盗撮)の容疑で逮捕される。 |
2022年1月18日 | 60歳の元宮崎県延岡市立小学校の教諭が知人の10代女性に対する強制わいせつ容疑で逮捕される。 |
2022年3月03日 | 50歳代の山梨県甲府市立小学校の教諭が勤務先小学校の児童に対する強制わいせつ容疑で逮捕される。 |
上記は刑事事件化した悪質な事案だが、その手前の「スクール・セクシャル・ハラスメント(SSH)」に該当する事案も相当数あるかもしれない。
教師などの立場、権限、権威、管理的な地位などを利用した児童生徒などへの性犯罪。そして、過去にそのような性犯罪に手を染めてしまった教師などの同一職種への再就職などの問題――最後に以下の記事を紹介しよう――深い議論が必要である。
無犯罪証明書政府が検討/賛/子どもの安全確保/否/社会復帰を妨げる/制度設計 人権絡み難航も 子どもへの性犯罪を防ぐため「無犯罪証明書」制度を検討する政府方針に、保護者や関係団体から歓迎の声が上がっている。一方、刑法の専門家からは「人権やプライバシーの観点から問題があり、加害者の社会復帰を妨げる」との意見も。賛否両論あり、制度設計が難航する可能性がある。無犯罪証明書の導入を求める機運は、2020年、ベビーシッター仲介サイトを運営する「キッズライン」(東京)に登録していた男2人が強制わいせつ容疑などで逮捕された事件をきっかけに高まった。被害者家族や子育て支援団体が、署名集めや政府への要請活動に取り組んできた。 認定NPO法人「フローレンス」(東京)の前田晃平代表室長は「わいせつ事件を起こした教員が、ベビーシッターに転職できるのが今の日本の制度だ」と指摘。現行制度では教員は文部科学省、シッターは厚生労働省や内閣府と管轄官庁が異なるため「行政の縦割りで犯罪の実態すらつかめていない。横串を通す制度が必要だ」と訴える。 前田氏は、英国にならい、子どもに1日2時間以上のサービスを提供する職種に就こうとする人は性犯罪歴がないことを条件とする制度が必要だと強調する。「加害者は子どもと関わる仕事から遠ざかることによって、性犯罪の再犯を防ぐことができる」と話す。甲南大の園田寿名誉教授(刑法)は「加害者を社会から見捨ててしまうことにもなりかねない」と疑問を呈し、性犯罪歴の情報漏えいの危険性や、対象になる性犯罪の定義のあいまいさといった課題を指摘する。また、子どもに関わる仕事は塾講師や家庭教師、キャンプのボランティアなど多岐にわたり、対象職種の決定も難しいとする。
宮崎日日新聞社2022年2月22日付
岐阜県郡上市立小学校の教員による12歳の少女への強制性交罪事件
岐阜県郡上市立小学校の教員Sが事件当時(2021年11月頃)12歳の少女への強制性交罪(被害者が13歳未満のため強制性交罪での逮捕である。また、強制性交罪の法定刑は5年以上の有期懲役のため、有罪の場合は、執行猶予がつかず実刑となる可能性が高いと思われる罪名である)の容疑で逮捕された。(外部リンク:刑法第百七十七条 強制性交等罪 内閣府男女共同参画局HP)
S容疑者は、2022年5月24日に事件当時(2021年7月頃)15歳の中学3年生女子児童への児童買春・ポルノ禁止法違反(買春)で逮捕(参考:郡上の小学教諭 児童買春の疑い 愛知県警が逮捕 2022.05.25中日新聞社)され、その後、検察の勾留請求を裁判所が却下するが、2022年5月27日、事件当時(2021年8月頃)16歳の女性への児童買春の容疑で再逮捕、送検されたとの報道があった(参考:児童買春の疑いで小学校教諭を再逮捕 2022.05.28 朝日新聞社)
なお、S容疑者は、過去2回の逮捕及び今回の強制性交罪容疑についても「覚えていない」「記憶にない」などと容疑を否認しているようだ。
また、「酒井容疑者がほかにも複数の少女に対し、同様の犯行に及んでいたとみて調べています」(12歳の少女にみだらな行為か 公立小学校教員の男を3度目の逮捕 ほかにも複数の少女に犯行か 中京テレビNEWS 6/16(木) 6:48配信)との報道あり、今後、別の嫌疑での再逮捕の可能性も考えられる。
これまでの逮捕報道にS容疑者と被害者となった児童、女性との接点はSNSだったとの内容が確認された。このことから、S容疑者のTwitterの投稿内容の分析を行い、S容疑者のSNSの投稿の特徴や特異な投稿内容の有無及び使用頻度の高い言葉の分析を試みてみた。
なお、分析には、株式会社SocialDogが運営する『whotwi』を使用した。
分析結果から児童、女性との接点となりそうな、特異な「ワード」や児童を誘引する「ワード」などは確認されなかったが、S容疑者は、漫画『呪術廻戦』(作者,芥見下々,集英社)を好むようだ。
『呪術廻戦』は大人気の漫画である。SNSは同じ趣味嗜好の不特定多数の者が容易に繋がることができるIT革命の象徴的なツールである。
ただし、不特定多数の者のなかには――危険が紛れ込んでいることを――これからも周知していく必要がある。
その後、2022年6月24日、名古屋地検は、Sの強制性交容疑を不起訴処分とし、同日、名古屋簡裁は、児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)容疑で罰金50万円の略式命令を出した(参考:郡上の小学教諭 児童買春で罰金 読売新聞 2022年6月25日付)との報道がなされ、2022年7月26日、岐阜県教育委員会はSの懲戒免職処分を発表(参考:わいせつ事案で2教諭懲戒免職 県教委 中日新聞 2022年7月27日付)。
2022(令和4)年8月12日、Sの教育職員免許状失効(失効日は2022年7月26日)公告がなされた。
SNSとチャイルド・グルーミング
東京都庁HPにある「SNSに起因する青少年の犯罪被害について」には、「警察庁によると、SNSを使って犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は1,800人を超えています。 また、『被害児童の87.7%がフィルタリングを利用していなかった(※)』、『Twitter(36.9%)、 Instagram(19.3%)に起因する被害が多かった』といった結果が公表されています。」との記述がある。
右は上記の典拠となる警察庁の「警察庁令和3年の犯罪情勢暫定値」から作成した図表。
これらの数字は、東京都のHPにも記載されているとおり、「※利用状況が判明した被害児童のみを集計」した数字だ。暗数はこれらの数字の何倍、何十倍だとも思われる(そもそも事件化されていない事案もある)。
SNSなどを利用した未成年者への性的グルーミング(チャイルド・グルーミング)を行う大人もいる。SNSを利用する者なかには性的な目的を隠し、善き理解者を装いながら子どもに接近する大人もいることを忘れてはならないだろう。
大阪府吹田市内の公立小学校の常勤講師による長期間にわたる強制わいせつ事件
2022年9月8日、勤務地の公立小学校で同小学校生徒の女児児童に対する強制わいせつの容疑で常勤講師のN容疑者が逮捕された。N容疑者の容疑を認めていると報道されているが、約半年以上の長期間にわたる犯罪行為が事実だとすれば、非常に悪質性の高い事件だと思われ、※注,今後は余罪などでの再逮捕などがあり得るかもしれない。
※注,2022(令和4)年11月1日、N容疑者が別のわいせつ事件で再逮捕されたとの報道がなされた。(参考:児童にわいせつで起訴の講師 他校でも強制わいせつ疑い再逮捕 NHK関西 NEWS WEB 11月01日16時54分配信)
今回の逮捕容疑は、前回2022年9月8日逮捕時(その後、起訴と報道されている)に「常勤講師」として勤務していた大阪府吹田市立の小学校内での児童に対する強制わいせつの容疑であり、N容疑者は逮捕容疑を認めていると報道されている。
安全な場所である筈の学校内で繰り返されていた悪質な犯罪である。
政府、行政は教師によるわいせつ事件の厳正対応に本腰を入れているともいわれるなか、教師による教育現場での猥褻事件が後を絶たない。
図表は、令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査「性犯罪・性暴力等に係る懲戒処分等の状況(教育職員)(令和2年度)」から作成した教職員の懲戒処分人数などである。
上記調査における「性犯罪・性暴力等」の定義について(出典:令和2年度公立学校教職員の人事行政状況調査) ・「性犯罪・性暴力等」とは、性犯罪・性暴力及びセクシュアルハラスメントをいう。 ・「性犯罪・性暴力」とは、強制性交等、強制わいせつ(13歳以上の者への暴行・脅迫によるわいせつ行為及び13歳未満の者へのわいせつ行為)、児童ポルノ法第5条から第8条までに当たる行為、公然わいせつ、わいせつ物頒布等、買春、痴漢、のぞき、陰部等の露出、青少年保護条例等違反、不適切な裸体・下着姿等の撮影(隠し撮り等を含む。)、わいせつ目的をもって体に触ること等をいう。 ・「セクシュアルハラスメント」とは、他の教職員、児童生徒等を不快にさせる性的な言動等をいう。 |
性犯罪・性暴力対策の強化の方針 令和2年6月11日の「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」において、性犯罪・性暴力対策の強化の方針」が決定されました。この方針を踏まえ、文部科学省では、子供たちが性暴力の加害者や被害者、傍観者にならないよう、教育・啓発活動の充実、学校等で相談を受ける体制の強化、わいせつ行為をした教員等の厳正な処分、社会全体への啓発等について、関係府省とも連携を図りながら、取組を強化してまいります。
文部科学省HP
教員・教師・教諭による虐待、性暴力は児童から教育を受ける権利を奪う重大な事件だ。義務教育とは大人が子どもに教育を受けさせる義務でもある。
教員・教師・教諭による虐待や性暴力の減らすため、今後も同様事件の摘発が続くだろう。

2022年中の未成年者に対するその他の事件
ここからは、2022年中に報道された女性容疑者による未成年者への性暴力事件を整理などし、女性容疑者による未成年者への性暴力を考察していこう。
女性が加害者となる事件例 神奈川県青少年保護育成条例違反(淫行)事件
2022年8月31日、事件当時の2022年5月当時に14歳だった男子中学生に対する神奈川県青少年保護育成条例違反(淫行)の容疑で42歳の女性N・M容疑者が逮捕された。
また、N容疑者は、約2年前の2020年6月16日、事件当時14歳だった男子中学生に対する神奈川県青少年保護育成条例違反(淫行)の容疑で逮捕されていた。
なお、2020年6月16日の逮捕時のN・M容疑者の氏名は、H・Mであり、同事件の逮捕時の住所は「神奈川県横浜市南区南太田3丁目」と報道されていたため、事件後に離婚、転出などがあったと推測される。
女性が「青少年保護育成条例違反」の被疑者として2回(2020年と2022年)逮捕された事件。
統計から性犯罪は再犯率が高い傾向にある。しかし、女性が「青少年保護育成条例違反」の容疑で「二回目の逮捕」は非常に珍しいケースだと思われる。
なお、同容疑者の前回(2020年6月16日)逮捕の事件に関するその後の情報(起訴や裁判に関する報道)が確認できないため、前回の事件で同容疑者は、不起訴処分となった可能性も考えられ、この点は留意、注意が必要である。
女性が被疑者として逮捕された青少年保護育成条例違反事件
前述のとおり、女性が「青少年保護育成条例違反」の容疑で逮捕されるケースは非常に珍しいと思われる。
ここからは、女性が「青少年保護育成条例違反」の容疑で逮捕されケースとそこから読み取れる傾向や共通項など探ってみたいと思う。
確認された2000年から2022年9月1日までの該当事件
以下は、過去の報道から確認された2000年から2022年9月1日までの女性が被疑者として逮捕された青少年保護育成条例違反事件である。
事件年月 | 事件発生場所 | 被疑者女性の年齢/職業 | 被害者男児の年齢 | |
1 | 2001年8月 | 広島県/岡山県 | 27歳(ホステス) | 15歳 |
2 | 2003年4月 | 北海道 | 30歳(無職) | 16歳 |
3 | 2004年11月 | 愛知県 | 21歳(無職) | 16歳 |
4 | 2008年7月 | 愛知県 | 34歳(無職) | 16歳 |
5 | 2020年6月 | 神奈川県 | 40歳(会社員) | 14歳 |
6 | 2022年8月 | 神奈川県 | 42歳(無職) | 14歳 |
なお、上記5、6は、N・M(H・M)容疑者の事件である。
また、2017年7月に「強制性交罪」が施行されたことにより、男性が加害者/女性は被害者の構成要件が撤廃されたため、13歳未満の男児との性交したの容疑(強制性交の罪)で、香川県内の22歳の女が逮捕され、2019年9月の裁判で、同女性被告に懲役3年執行猶予5年(求刑懲役5年)が言い渡されている(参考:男児と性交容疑、22歳の女を逮捕 スマホで知り合う 朝日新聞 2019年1月24日付、男児と強制性交した女に有罪判決 朝日新聞 2019年9月5日付)
上記6つの事件の女性被疑者(容疑者)の平均年齢は、32歳であり、被害者男児の平均年齢は、15歳である。
さらに、被疑者の職業は無職が多く、金銭が介在することが多い男性加害者と女児の関係(児童買春など)とは傾向が違うようだ。また、3(2004年の愛知県の事件)と5(N・M(H・M)容疑者の1回目の逮捕事件)の当時の報道によれば、加害者の自宅が児童の「たまり場」になっていたとの報道が確認される(参考:少年にみだらな行為をした女逮捕 中日新聞 2004年11月14日付、中学生にみだらな行為の疑いで女逮捕 東京新聞 2020年6月17日付)
2000年以降の確認された女性が被疑者として逮捕された青少年保護育成条例違反事件の件数が非常に少ないため、同容疑で逮捕された女性の傾向や事件の背景などの詳細には不明点が多いが、2つの事件で加害者の自宅が児童の「たまり場」になっていたことがわかる。
大人のいる「たまり場」には居場所のない児童の「心許せる場所」のイメージや少年・少女の気持ちを理解し相談相手などになる面倒見の良い「大人がいる場所」のイメージもあるが――その「たまり場」が犯罪の場所になることもある。
そして、青少年保護育成条例違反事件で2度目の逮捕となったN・M(H・M)容疑者には、今後、同様の事件を起こさぬよう更正のためのプログラムが必要だろう。
女性教師などが加害者の生徒等への児童福祉法違反などの事件
2022(令和4)年9月7日、年齢30歳の特別支援学校の女性教師が元教え子の男子生徒(年齢不明)に対する淫行(児童福祉法違反)で懲戒処分の発表があった。なお、同女性教師はは2022(令和4)年3月に同容疑逮捕され、同月25日には、東京地検に児童福祉法違反罪で起訴されていた。
教え子だった男子生徒呼び出し、女性教諭が車内でみだらな行為…「好意はなかったが自分の責任」 東京都教育委員会は7日、教え子だった男子生徒にみだらな行為をしたとして、特別支援学校の女性教諭(30)を懲戒免職(中略)発表によると、女性教諭は2020年12月、都内の商業施設に止めた車の中で、以前担任を務めていた男子生徒とみだらな行為をした。進路相談に乗るとして生徒を呼び出し、ドライブをしていた。女性教諭は都教委の調査に「好意はなかったが、自分の責任だ」と話しているという(後略)
読売新聞 2022年9月8日 12:42配信
女性教師・教員・教諭による教え子、元教え子などの未成年者に対する児童福祉法違反(わいせつ事件)も比較的少ないケースだが、教師という立場の利用や特別支援学校の教師の事件ということに悪質性を感じる。
近年の主な同種事案/事件(女性教師が加害者と教え子などが被害者の事件)を過去の報道から抜粋した。
発生年 | 事件概要 |
2008年 | 沖縄県教育委員会発表 中学校の35歳の女性教師が男子生徒に淫行。 なお、その後、県青少年保護育成条例違反(深夜外出の制限)の容疑で起訴猶予処分。 |
2016年 | 沖縄県教育委員会発表 40代の女性教師が男子高校生に淫行。 |
2018年 | 岐阜県教育委員会発表 中学校の女性教師が元教え子に淫行。 なお、その後、県青少年健全育成条例違反の容疑で起訴猶予処分。 |
男性教師が加害者、女児生徒が被害者となる事件は多いが、女性教師が加害者、男児児童が被害者の事件も――当然だが――あり得る。
文科省や各都道府県の教育委員会は、児童の被害、生徒の被害を「根絶」することを目標に掲げているらしい。これからも摘発は続くだろう。
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