「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者とは何者なのか?

2022年10月以降、全国の8都県内において、同一グループの犯行の可能性が疑われる14件の強盗事件が発生し、「京都、大阪、福岡などの6府県でも昨年以降、一連の事件との関連が疑われる強盗や窃盗事件などが起きているという(引用:連続強盗で14都府県警集め捜査会議 警察庁、首謀者検挙を指示 毎日新聞 2023年1月27日配信)

一連の連続強盗事件グループの指示役といわれる「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者とは何者なのか?渡邉優樹容疑者とともに「過去の特殊詐欺」に関わる逮捕状(参考:「ルフィ」名乗る人物ら4人、フィリピン収容施設から強盗指示か…警察が送還要請 読売新聞2023年1月27日配信)が取られている今村磨人容疑者の過去の経歴は?などについて調査を実施した。

2023年1月30日、警視庁は上記写真の「TOMONOBU SAITO」こと小島智信(45歳)及び藤田聖也38歳の逮捕状を取ったとの報道された(参考:連続強盗事件 新たに2容疑者の氏名判明 指示役の「ルフィ」か 毎日新聞2023年1月30日付)

サマリー(まとめ)

前代未聞の大事件に発展している連続強盗事件の指示役の可能性が報道されている「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者及び今村磨人容疑者は、2017年頃に発覚した警察官を名乗る特殊詐欺に関係し、かつ、同詐欺などで詐取した多額の現金を海外に運ぼうと企て逮捕されたグールプの幹部の可能性が考えられる。

以下は、2023年1月23日時点で確認された「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者及び今村磨人容疑者の情報。

報道された渡邉優樹容疑者に関する情報出所・出典
北海道出身。生年月日(DOB)20 APRIL 1984(1984年4月20日生)フィリピン警察当局が2021年5月20日に撮影したマグショット
2019(平成31)年11月13日、フィリピン国内で36人の身柄が拘束された特殊詐欺の幹部か?指示役「ルフィ」特殊詐欺幹部か 比で拘束の男ら、手口転用 共同通信  2023年1月28日 18:13配信
以前、札幌市内で飲食店を経営していた札幌で捕まったことも” 渡邉優樹容疑者 その親族が胸の内明かす テレ朝ニュース2023年1月28日22時30分配信
報道された渡邉優樹容疑者に関する情報2023年1月29日現在
報道された今村磨人容疑者に関する情報出所・出典
北海道出身、元飲食店関係者連続強盗事件の指示役ルフィを追う 特殊詐欺で逮捕状の容疑者 フィリピン収容所内の独自映像入手 直撃に『何の話か分かりません』【報道特集】 TBS  2023年1月28日 20:13配信など
年齢38歳(2023年1月30日現在)連続強盗事件 新たに2容疑者の氏名判明 指示役の「ルフィ」か 毎日新聞2023年1月30日付
「(36人の)中には入っていませんけれども、実際は同じグループ」「もともと(別の容疑で)指名手配がかかっていた。マカオかどっか行こうとして空港で捕まったと聞いている同上
報道された渡邉優樹容疑者に関する情報2023年1月29日現在

以下は、「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者及び今村磨人容疑者の可能性がある同姓同名者の情報。

渡邉優樹容疑者の同姓同名者の情報出所・出典
同姓同名者が2017(平成29)年の特殊詐欺に関与。詐取した約2,100万円をタイ国に持ち出そうとした事件に関与「犯罪被害財産支給手続開始決定公告」(2020(令和2)年9月4日公告)
渡辺優樹(漢字相違)が、2012年8月2日札幌市内発生した強盗事件に関与。なお、芸能人Kの同姓同名者も関与盗んだ金庫の金 店開業や外車に 容疑グループ供述 読売新聞 2012年8月3日付
同姓同名者が2008(平成20)年12月、札幌市内で飲食業関係法人を設立。同法人は、2021(令和3年)、「休眠会社・休眠一般法人の整理」により解散登記簿情報
渡邉優樹容疑者の同姓同名者の情報2023年1月29日現在
今村磨人容疑者の同姓同名者の情報出所・出典
同姓同名者が2008(平成20)年8月14日、風俗営業法違反(無許可営業)の容疑で北海道警察札幌中央署に逮捕風営法違反の疑いで2人逮捕 読売新聞社2008年8月15日付
今村磨人容疑者の同姓同名者の情報2023年1月29日現在

「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者に関する報道

「ルフィ」ら比収容の日本人4人に逮捕状 引き渡し要請へ 警察 全国各地で相次いでいる一連の強盗事件で指示を出していた疑いがあり、フィリピンの入管施設に収容されている「ルフィ」と名乗る人物ら4人について、警視庁が、特殊詐欺事件などに関わった疑いで逮捕状を取っていたことがわかりました。4人のうち、1人は渡邉優樹容疑者で、警察当局はフィリピン当局に身柄の引き渡しを要請する方針です。引き渡しを要請するのは、特殊詐欺事件などに関わった疑いで警視庁が逮捕状を取っている渡邉優樹容疑者や今村磨人容疑者ら4人です。全国各地で相次いでいる強盗事件で、警察当局は、SNSで情報を共有し実行犯を入れ替えながら犯行を繰り返しているグループが存在し「ルフィ」と名乗る人物が、複数の事件で実行役に指示を出していた疑いがあるとみています。この人物について、現在、フィリピンの入国管理施設に収容されていることから、警察当局はフィリピン当局に身柄の引き渡しを求め、各地の事件との関わりについて捜査する方針を固めました。捜査関係者によりますと、複数の人物が同一のSNSのアカウントを使うなどして「ルフィ」と名乗っている可能性もあり、引き渡しを要請するのは渡邉容疑者ら収容されている4、5人の日本人になる見通しだということです。相次ぐ事件を受け、警察庁は27日、事件との関係が疑われる1都2府11県の警察の幹部を集めた会議を開き、各地の事件の捜査状況などの情報を共有しました。渡邊国佳刑事局長は「一連の事件は、社会的反響が大変大きく国民の不安が高まっていて、警察捜査の真価が問われている。関係する警察が一丸となって強力な捜査を推進してほしい」と指示しました。

※連続強盗事件のニュースで、引き渡しを要請する容疑者1人の名前の漢字が誤っていました。失礼しました。

NHKニュース2023年1月27日 19時27分
ニュース映像:フィリピン収容所の特殊詐欺G 渡辺優樹容疑者 今村磨人容疑者ら4人に逮捕状 比政府に身柄送還求める方針 広域連続強盗事件との関連捜査
出典:TBS NEWS DIG YouTube channel

上記の報道にもあるが、渡邉優樹容疑者の漢字表記が当初は「渡辺」と表記されていた。その後、「渡邉」が正式な漢字表記(公開されているパスポートから同漢字が戸籍に使用されている漢字だと判断される)と報道されている。

渡邉優樹容疑者は警察官を装う特殊詐欺の関係者?

確認できる範囲で、渡邉優樹容疑者に関する過去の犯罪報道は認められなかったが、渡邉優樹容疑者の同姓同名者らが関与した警察官を名乗る詐欺事件に関する「犯罪被害財産支給手続開始決定公告」が確認された。

確認できた上記公告(2020(令和2)年9月4日公告)によれば、「渡邉優樹及び女性Sらを中心とする犯行グループ」が、2017(平成29)年10月20日頃から11月24日頃までの間に、警察や警察官を名乗り複数回にわたり被害者宅に、「被害者やその家族名義の口座から現金が不正に引き出されている、キャッシュカード等をだまし取られる可能性がある、キャッシュカード等を警察官に預けてほしい、金融機関の職員が詐欺事件に関与しており、あなたの預金口座も狙われているので口座から現金を引き出しておいた方がよい」などの嘘の電話をし、被害者からキャッシュカード等を騙し取り、2017(平成29)年12月1日、詐欺や窃盗で得た約3,700万円のうち、約2,100万円を愛知県常滑市にある中部国際空港現金からタイ王国へ持ち出そうとした事件に関係するものである。

上記事件当時の報道を含め、渡邉優樹容疑者の同姓同名者の過去の事件関連報道は認められなかったが、上記事件に関連すると判断できる報道が確認された。同報道によれば、逮捕当時、千葉県千葉市稲毛区居住の職業不詳女性S(39歳)、東京都豊島区北大塚無職男性U(21)歳、東京都中央区勝どきに居住する23歳無職女性Iが、千葉県在住の80代女性や新潟県新潟市在住の70代女性宅に電話をし、「キャッシュカードが不正に使われている」等と嘘を言い、さらに、偽造した警察手帳を呈示してキャッシュカード詐取し、ATM(現金自動預け払い機)から現金を引き出したなどの詐欺、偽造公記号使用、窃盗などの容疑での逮捕である。(参考:カード詐取など容疑で3人再逮捕 読売新聞社2017年12月21日付)

上記報道にある千葉県千葉市稲毛区居住の職業不詳女性S(39歳)の氏名(漢字)が、「犯罪被害財産支給手続開始決定公告」の女性Sと同一である。

追記:2023.01.29更新 2023年1月28日、『ルフィ』を名乗る渡邉優樹容疑者が、2019年に多数の者が身柄拘束などされた特殊詐欺グループの幹部ではないかという報道がなされた。「日本人の男4人が、フィリピンで2019年に36人が拘束された特殊詐欺グループの幹部とみられることが28日、捜査関係者への取材で分かった。4人には強盗事件の指示役とされる『ルフィ』が含まれているとみられている(引用:指示役「ルフィ」特殊詐欺幹部か 比で拘束の男ら、手口転用 共同通信  2023年1月28日 18:13配信)

上記の事件は、2019年11月13日、日本の高齢者などを狙った特殊詐欺のフィリピン・マニラ首都圏のマカティ市の拠点で日本人36人がフィリピン当局などに身柄拘束された事件だと思われ、当時の報道によれば、身柄拘束されたのは所謂「かけ子」と呼ばれる36人だが、ほかに男女20人が拠点ビル(アジト)内にいたという。

当初、この20人の男女は、拘束された36人との共謀の判断ができず、身柄拘束は見送られたが、その後の調べで男女20人も詐欺グループメンバーの疑いが強まり逮捕状が請求されたとの報道である(参考:比拠点詐欺 50人超か 拘束36人 摘発時20人立ち去る共同通信 2019年11年21日付)

ルフィこと渡邉優樹容疑者は、上記約50人からなる大規模詐欺グループの幹部なのか?2017年の詐欺にも関係してるのか?などの続報に注視が必要である。

渡邉優樹容疑者は詐欺で得た多額の金を海外に持ち出そうとした?

前述のとおり、渡邉優樹容疑者の同姓同名に関する過去の犯罪関係報道は確認されない。たただし、「渡辺優樹」等の漢字人物の報道は確認され、年齢(フィリピン警察当局が2021年5月20日に撮影したマグショットによれば渡邉優樹容疑者の生年月日:DOBは、20 APRIL 1984。2023年1月29日現在38歳である)出身地、以前の生活拠点「北海道」に類似する「渡辺優樹」(当時28歳)が、2012年8月2日、「現金約1000万円入りの耐火金庫(約30センチ四方)やブランド時計など計300万円相当を盗んだ疑い」で逮捕されている(参考:盗んだ金庫の金 店開業や外車に 容疑グループ供述 読売新聞 2012年8月3日付

上記事件では、有名芸能人「K」(1991年3月生)の同姓同名者(当時21歳)も逮捕されている。2023年1月29日配信の「SmartFLASH」では、ルフィこと渡邉優樹容疑者と芸能人Kの関係性の記事が確認されるが、現時点(2023年1月29日)で芸能人Kのコメントなどは確認できないため、真偽不明の情報となり注意が必要である。

また、連続強盗事件の指示役と目されている「ルフィ」こと渡邉優樹容疑者は、現在(2023年1月27日)、フィリピンの「ビクタン入管収容所」に収容されているとの報道がある(参考:強盗指示役「ルフィ」収容? フィリピンのビクタン入管収容所とは 毎日新聞 2023年1月27日配信)

渡邉優樹容疑者が前述の「犯罪被害財産支給手続開始決定公告」の同姓同名者と同一人物であるならば、渡邉優樹容疑者は、2017(平成29)年に警察、警察官などを名乗る特殊詐欺に関係した後、日本から出国したと思料される。

渡邉優樹容疑者の経営先は?

渡邉優樹容疑者は、過去に北海道札幌市内で飲食業に関係していたなどの記事が散見されるため、札幌市内の飲食業法人などを確認したところ、渡邉優樹容疑者の同姓同名者が、2008(平成20)年12月、北海道札幌市南区内で飲食店などを目的に資本金40万円設立された法人の代表取締役に就任していたことが確認された。

ただし、同法人は、2021(令和3年)、「休眠会社・休眠一般法人の整理」により解散していた。

今村磨人容疑者の過去の逮捕報道は?

過去の特殊詐欺に関わる容疑者として、渡邉優樹容疑者とともに逮捕状が出ている今村磨人容疑者の過去の犯罪関係報道について確認を行ったところ、今村磨人容疑者の同姓同名者が、2008(平成20)年8月14日、風営法違反(無許可営業)の容疑で北海道警察札幌中央署に逮捕されたとの報道が確認された。

同報道によれば、逮捕当時、今村磨人容疑者は同姓同名者の年齢は、24歳、経営する北海道札幌市南区(以下、省略)飲食店で無許可であるにも拘らず女性2名を接客させた容疑での逮捕である(参考:風営法違反の疑いで2人逮捕 読売新聞社2008年8月15日付)

今後の注目点は?

前述のとおり、渡邉優樹容疑者の同姓同名者および今村磨人容疑者の同姓同名者は、北海道札幌市内で飲食店を経営していた。現況、両名に関する情報が少ないため、同2名の同姓同名者が、渡邉優樹容疑者および今村磨人容疑者だと断定することはできないが、渡邉優樹容疑者は、北海道出身などの情報も散見される。

2名の同姓同名者が、渡邉優樹容疑者および今村磨人容疑者だとするならば、2人はともに北海道札幌市内の飲食店に関係者であり、少なくとも(平成20)年頃からの知人・友人・先輩・後輩などの関係も推認される。

今後、明らかになるだろう2人の経歴や関係性、背後関係などに注目したい。

追記:2023.01.29(更新) 「連続強盗事件の指示役ルフィを追う 特殊詐欺で逮捕状の容疑者 フィリピン収容所内の独自映像入手 直撃に『何の話か分かりません』【報道特集】 TBS  2023年1月28日 20:13配信」によれば「(前略)当時のメンバーによると、渡辺(原文ママ)容疑者は「ボス」と呼ばれ、今村容疑者の地元・札幌での友人だという(後略)」との元詐欺メンバーの証言が紹介されている。

やはり、渡邉優樹容疑者および今村磨人容疑者は、札幌当時からの友人だったようだ。

さらに、上記報道には記者による――『キヨト(今村磨人)』というのは仲間か?――との問いに、取材対象の詐欺グループのメンバーは、「(36人の)中には入っていませんけれども、実際は同じグループ」「もともと(別の容疑で)指名手配がかかっていた。マカオかどっか行こうとして空港で捕まったと聞いている」と答えている。

この「マカオかどっか行こうとして空港で捕まったと聞いている」は、前述の渡邉優樹容疑者同姓同名者に関係する「犯罪被害財産支給手続開始決定公告」(2020(令和2)年9月4日公告)の特殊詐欺事件及び詐取した約2,100万円をタイ王国に持ち出そうとした事件に符号するとも考えられる。


掲載:2023年1月27日

更新
2023年1月29日
2023年1月30日


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Jean-Baptiste Roquentin運営者

投稿者プロフィール

Jean-Baptiste RoquentinはAlbert Camus(1913年11月7日-1960年1月4日)の名作『転落(La Chute)』(1956年)とJean-Paul Sartre(1905年6月21日-1980年4月15日)の名作『嘔吐(La Nausée)』(1938年)に登場するそれぞれの主人公の名前からです。
Jean-Baptiste には洗礼者ヨハネ、Roquentinには退役軍人の意味があるそうです。
小さな法人の代表。小さなNPO法人の監事。
分析、調査、メディア、社会学、政治思想、文学、歴史、サブカルなど。

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