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映画『彼女は夢で踊る』:銀幕で永遠に生き続けるストリップ劇場

ストリップという言葉に触れたとき、どのようなイメージが浮かび上がるでしょうか。

寂れた温泉街の劇場。繁華街の路地裏にある異空間。昭和への邂逅。踊り子の人生と観客の人生の交差点。スポットライトに浮かび上がる耽美な大人の世界。ふと、劇場から出てきた寺山修司(リンク先:Wikipedia)が「さよならだけが人生ならば人生なんかいりません」と語りだす――。

2021年5月まで広島県広島市で営業を続けていた『広島第一劇場』を舞台にした映画『彼女は夢で踊る』について解説していきます。

映画『彼女は夢で踊る』概要

映画『彼女は夢で踊る』はストリップ劇場『広島第一劇場』を舞台にしたラブストーリー・人間ドラマです。

本作は、コロナ禍前に既に撮り終えられていました。広島での先行上映の後、「新宿武蔵野館」を皮切りに全国のミニシアターを中心に公開されましたが、コロナ禍の影響を受け、大々的な宣伝は難しかったようです。

それにもかかわらず、本作の関係者はリモート舞台挨拶や、全国の小さな映画館まで粘り強い行脚を続け、やがて口コミを中心に評判が広がりました。

出典:【公式】映画『彼女は夢で踊る』予告編

DVDの発売時には、異例の方法となる所属系列を超えての現存するストリップ劇場で発売もありました。

「広島第一劇場」は、1975年に開館した劇場です。この劇場は2度の閉館危機を乗り越えましたが、2021年5月20日に多くのファンに惜しまれつつ最後の営業を終え、閉館しました。

映画『彼女は夢で踊る』は、広島第一劇場を銀幕に残したいというプロデューサーの横山雄二さんと、監督の時川英之さんの強い意志により、閉館から1年前に映画化が実現しました。

映画本編は2019年に劇場で公開され、岡村いずみさん、犬飼貴丈さん、加藤雅也さんが主演しました。上映時間は95分で、PG-12の作品となっています。

映画『彼女は夢で踊る』のあらすじ

★ご注意:映画『彼女は夢で踊る』のネタバレが含まれています。

中国・四国地方唯一のストリップ劇場――それが「広島第一劇場」です。ある日、失恋の傷を抱える若いサラリーマンのシンタロー前に謎の美女サラが現れます。

サラに不思議な魅力に惹かれたシンタローは、彼女がストリップ劇場「広島第一劇場」のダンサー(踊り子)だと知り、初めてストリップ劇場を訪れます。

劇場のステージで踊るサラの美しさにシンタローの心は癒されました。彼の失恋の痛みも一時的に癒え、ストリップ劇場の不思議で美しい世界に魅了されました。

シンタローは劇場通いを始めます。最終的には会社を辞めて劇場で働く決意をしました。しかし、劇場の従業員と踊り子の親密な関係は許されません。シンタローはサラと友達になりました。

踊り子たちはステージを終えるたびに全国の劇場に旅立ちます。サラは再び広島に戻ってきた時、失恋の痛みを抱えていました。サラとシンタローはお互いに惹かれ始めます。海辺に出かけたときサラは踊りだしました。シンタローはその美しい姿に魅了されます。

その後、突然の出来事があり、サラは舞台を降りて広島を去りました。その後、シンタローは「広島第一劇場」の社長に就任し、サラとの再会を待つ日々を過ごしました。しかし、時が経つにつれ、サラの消息は途絶えました。

劇場は開業から46年が経ち、シンタローは閉館を決断しました。閉館の直前、若い踊り子である「メロディー」が現れました。かつてのサラに似たメロディーを見てシンタローは驚きます。

同じ頃、ラストステージに出演する踊り子たちが劇場を訪れていました。その中には、長い間舞台で輝いてきた有名な踊り子のヨーコも含まれていました。シンタローはヨーコからサラの最後の消息を聞かされます。

劇場は満員になり、ヨーコのラストステージが感動的に終了しました。社長のシンタローが一人で客席に座り、メロディーがステージに登場します。サラに似た彼女はシンタローに向かって言葉をかけました。

――あなたが愛したのは私じゃない。この劇場よ――と。

シンタローにとって、「広島第一劇場」は青春と人生そのものであり彼の全てでした。シンタローは音楽に身体を揺らし最後まで舞台で踊り続けました。

夢と現実が交錯する舞台

2021年に閉館したストリップ劇場「広島第一劇場」。

「広島第一劇場」を守りたいという県民スタッフやキャストを中心に制作されたのが映画『彼女は夢で踊る』です。

夢と現実が入り混じるような映画『彼女は夢で踊る』は映画と現実も交錯しています。

物語の中心には「広島第一劇場」の名物社長、美しい踊り子たち、個性的な客のリボンさんなどがいます。

実際には何度も閉館の危機に瀕し、その度に乗り越えてきた劇場です。映画は現地の風景や劇場の外観、舞台、投光室、楽屋などをリアルに再現するために、徹底的に現地ロケにこだわりました。

劇場が老朽化し、客足が遠のき、維持費が高まっても、この劇場を守ろうとするのは社長でした。実際、現実の二代目社長も維持に尽力しましたが、最終的に閉館を決断せざるを得ませんでした。

ストリップを愛するもの達の気持ち

閉館が決まると「広島第一劇場」には全国各地からのストリップファンや映画『彼女は夢で踊る』を視聴した老若男女が訪れ、毎日、劇場の前に長い列を作りました。

「広島第一劇場」の名物社長はもともと太っ腹な人で、お腹が空けば自身のポケットマネーでパンを買って観客に配ったりするなど、地元らしい温かい雰囲気を醸し出していました。この劇場には固定のファンも多かったそうです。

劇場内部は美しさと細部へのこだわりが見事です。ミラーボールに星が飾られ、天井の壁には鏡が配置され、盆も2つあるなど、その魅力は尽きませんでした。

ラストのステージには入りきれないほど多くの人々が劇場に押し寄せました。

劇場内は驚くほどの熱気に包まれ、ステージは壮大に繰り広げられました。その中でも、ラスト2日に出演したヨーコ役の矢沢ようこさんは特筆すべき存在でした。

彼女はラストのステージで、約2分間もの間、全くの無音の中で踊り切りました。これは「広島第一劇場」への愛情を胸に抱く踊り子たちの熱い気持ちの表れでしょう。実際に観に行った人々からも、その迫力が賞賛されています。

踊り子サラを初めて見つめるシンタローの真っすぐでキラキラした瞳。あの瞳を筆者は知っています。それははじめてストリップを見た筆者自身の瞳でもあったからです。

永遠に生き続ける「広島第一劇場」

「広島第一劇場」は閉館後に解体されホテルが建設されました。残念ながら劇場はもはや存在しませんが、その足跡はしっかりと残されています。

映画『彼女は夢で踊る』は、「広島第一劇場」とストリップを描いた映画として永遠に残るでしょう。さらに、ストリップに関する本や写真展などが、今でもその遺産を伝えています。

『踊り子さんの来る街・ヌードの殿堂 広島第一劇場の日常(たなかときみ著)』や写真家の松田優さんによる『その夜の踊り子』など、ストリップに関する出版物や写真展は、「広島第一劇場」の遺産とその歴史を記録し、継続的な発信を行っています。

また、劇場の名物であった看板は静岡県伊東市にある『まぼろし博覧会』に寄贈され、貴重なストリップ遺産として展示されています。全てが解体や廃棄されたわけではなく、劇場の記憶と文化を後世に伝える手段として、映画や出版物、写真展、展示物などがその役割を果たしています。

ストリップは、止まらない

「閉館」が悲しまれ、惜しまれる理由は、ストリップ劇場が日本の法令により制約を受け、新たに建設されないことが主な要因です。具体的には、風営法第3号という法律により、一度閉館したストリップ劇場は新築が許可されず、この法律による制約が劇場の数を減少させています。

現在、全国に存在するストリップ劇場はわずか28館となっており、その数も減少傾向にあります。

「広島第一劇場」が閉館したことが悲しまれる背景には、この法的制約により、劇場の存続が難しくなることがあるでしょう。

また、多くの人々にとって、「広島第一劇場」は長い歴史と多くの思い出が詰まった場所であり、その閉館はストリップ文化とその歴史の一部が失われたことを象徴しています。

このような背景から、劇場の閉館は地域社会やストリップファンにとって悲しい出来事として惜しまれたのでしょう。

本作の主人公であるシンタローが夢の中で幸せそうに踊り、幕を閉じた後の登場人物のその後についての詳細は劇中で描かれていないため、想像に任せることになります。

一方、ヨーコ役の矢沢ようこさんは、横山監督の作品に女優として参加し、「浅草ロック座」の舞台に出演するなど、活躍しています。

また、ストリップ劇場においても、コロナ禍の収束とインバウンドの増加により、観客が戻りストリップ文化が復活していることが示唆されています。特に、浅草ロック座は連日大入り満員となっているとの情報から、ストリップ文化の人気が高いことがうかがえます。

「広島第一劇場」の名物社長の消息は明確ではありませんが、写真展『その夜の踊り子』に、真っ白な胡蝶蘭が「広島第一劇場」から送られてきました。

彼が今もストリップ文化を静かに見守っているのかもしれません。

社長が、「広島第一劇場」の劇場に掲げていたスローガンは――ストリップは、止まらない。――でした。

このスローガンは、ストリップ文化の持続と進化を象徴しています。

さよならだけが人生ならば 人生なんかいりません

寺山修司『幸福が遠すぎたら』寺山修司詩集 角川春樹事務所,2003


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あめこ

人間の淡い感情や日常を描く事が、得意な物書きです。 寝ても覚めても根っからの映画好きです。 戦後から最近までの国内外の映画、アニメ、ゲームなどサブカルが得意です。 特に三船敏郎、志村喬という往年の東宝俳優が昔から好きで、昔はファンブログも書き綴っていました。