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闇バイト「貧困の連鎖」と「族の崩壊」

闇バイトとは、組織化された犯罪集団等がSNSに高額報酬を謳う求人募集を掲載し、求人に応じた未成年者を含む若年層の男女が組織的犯罪に加担し報酬を得ることをいう。

求人側が募集文句に「タタキ」「受け」「運び」等の犯罪を匂わせる隠語を使うこともあるが、闇バイト求人の大きな特徴は、「100万円の報酬」など常識の範囲を超える高額報酬の提示である。

闇バイトに関係する重大事件は、2021年以降、14都道府県で50件以上(参考:「闇バイト」対策強化へ、月内にも省庁横断の閣僚会議…資産情報の流出防止策も検討 読売新聞 2023年3月10日 配信)発生していているともいわれ、闇バイトに応募し犯罪を実行した男女が特殊詐欺、強盗、殺人、殺人未遂の実行犯として逮捕などされている。

特に、ハンドルネーム「ルフィ」、「キム」等の関与が疑われる2023年1月19日に発生した東京都狛江市内の90歳女性が殺害された強盗殺人事件を含む強盗事件は、社会を激しく動揺させた。

頻発する重大事件の発生に対し、警察庁は上記事件に関係する14都道府県の刑事部長を招集し、「広域強盗捜査会議」を開き、政府も2023年3月中に全閣僚が参加する「犯罪対策閣僚会議」を開く予定だと報道されている。

コロナによる行動制限や経済状況の悪化は、子供や若年層の「心」と「経済状態」に深刻なダメージを与え、特に相対的貧困家庭に生まれ育った子供や若年層に大きなダメージを与えたのは容易に想像できる。

特に問題だと考えられるのは相対的貧困層の多くを占めるひとり親世帯(日本では多くが母子家庭)だろう。

児童虐待の問題にも繋がる相対的貧困の層母子家庭の問題にある、低位学歴女性の10代の出産は貧困の連鎖に陥り易く、貧困の連鎖が未成年者や若年層から優位な仕事に就く機会を奪い、目の前に提示にされた一発逆転の虚構の夢に食らいついてしまう。

本記事の目的は、闇バイトに応募し、「東京都狛江市90歳女性宅強盗殺人事件」の実行役として逮捕されたN・R容疑者/被疑者を中心に未成年者や若年層の闇バイト応募者と貧困の連鎖や家族、疑似家族の崩壊との関係性を考察することである。

東京都狛江市90歳女性宅強盗殺人事件の概要

2023年1月19日、17時20分頃、東京都狛江市内の住宅内で両手首を結束バンド縛られた90歳歳女性の遺体が発見された。女性の遺体には、激しい暴行を受けた跡があり、荒らされた宅内から高級腕時計2本等が盗まれていた。

逮捕者逮捕時年齢住所地
N・R21歳石川県金沢市
K・S24歳住居不詳
N・H52歳埼玉県川口市
F・S34歳埼玉県三郷市
大学生A19歳東京都中野区
東京都狛江市90歳女性宅強盗殺人事件の逮捕者一覧

東京都狛江市90歳女性宅強盗殺人事件で逮捕されたN・R容疑者/被告(21歳)は、その後、「リサイクルショップ強盗傷害事件(2023年1月12日発生)」、「東京都中野区強盗傷害事件(2022年12月5日発生)」、「広島県広島市区西区強盗傷害事件(2022年12月21日発生)」等へも関与した疑いで逮捕、起訴されている。(2023年3月11日現在)

N・R容疑者/被告が短い期間に発生した4件の極刑まで考えられる重大事件に関係したことに驚きを覚えるが、この4つの事件及び所謂「ルフィ」と思しき指示役4人が逮捕された後も闇バイトに応募した少年、若年層の者による強盗傷害事件が起きている。

逮捕者の特徴

N・R容疑者/被告をはじめ、闇バイトに応募し、特殊詐欺や強盗事件に関与する未成年者や若年層がいる。

「東京都中野区強盗傷害事件」では、当時22歳のY・Mが逮捕・起訴され、「リサイクルショップ強盗傷害事件」では、当時23歳の元自衛官が逮捕・起訴されている。さらに、2023年2月23日、福島県南相馬市内の77歳男性が襲われた事件では、東京都内の2人の20歳男性と北海道札幌市内の22歳男性が逮捕されている。

2023年2月に発表した警察庁広報資料「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)」によれば、特殊詐欺の検挙件数は、6,629件(前年度の+29件、+0.4%)、検挙人員は2,469人(+95人、+4.0%)と増加傾向にあり、検挙者のうち少年の検挙人数は、477人(+44人)、総検挙人員の19.3%を占めている。

そのうち、73.2%が所謂「受け子」(349人)で、「受け子の総検挙人員1,621人に占める割合は21.5%、受け子の5人に1人が少年」(引用:「令和4年における特殊詐欺の認知・検挙状況等について(暫定値版)」)といわれる。

当然ながら、特殊詐欺の受け子として検挙された少年の全てが闇バイトに応募していたとは限らないが、派遣会社から日雇いバイトを受けるかのようにスマートフォン等の通信機器を使い、闇バイトに参加する未成年者や若年層がいると思われる。

2023年3月9日には、東京都板橋区に住む元検察事務官の女性(35歳)が闇バイトに応募し、特殊詐欺の受け子となり逮捕される事件があった。

同事件の容疑者の女性は、自ら出頭し、「闇バイトだとは思わなかった」などと語っているとも報道されているが、検察事務官退任後は生活に困っていたとも供述しているらしい。 生活に困り金銭的に割の良い仕事に応募する。経済状況の困窮は、人の思考を停止させることがある。

強盗殺人事件のN・R容疑者/被告

複数の強盗事件に関与した疑いのあるN・R容疑者/被告(以下、NR)の生い立ち等に関する報道によれば、N・Rは京都府京都市山科区内で生まれ。中学校卒業までは、病気を患う母親と年齢不明の弟の3人で市内の公営住宅に住んでいたといわれる。

中学卒業後のN・Rは、通信制高校に入学するが退学し、単身で石川県金沢市に転居すると、建築・土木関係の仕事等を転々としたようだ。(参考:「〈狛江90歳強盗殺人にも関与!?〉中野区強盗傷害事件。貧困家庭で育った永田陸人容疑者(21)の過去と、フィリピンから指示をだす首領の正体「コネを活用すれば“別荘の中”でも自由を謳歌できる」集英社オンラインニュース2023年1月26日配信)

N・Rの母親の年齢や出産時の年齢、最終学歴等は不明だが、N・Rが相対的貧困層に分類される持病を持つ母親のもとに育ったと推測される。

貧困の連鎖

2019年発表の厚生労働省「国民生活基礎調査の概況」によれば、日本全体での相対的貧困率は15.7%、子供の貧困率は14.0%、「大人が一人」の世帯員では48.3%である。

また、厚生労働省発表の「平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果報告」によれば、平成27(2015)年中の母子世帯の母自身の平均年間就労収入は 200 万円であり、母子世帯の経済的困窮が浮き彫りとなっている。

さらに、母子世帯の母親の出産時年齢、母親の最終学歴及び生活保護の世代間継承の関連性は、『生活保護と日本型ワーキングプア―貧困の固定化と世代間継承(道中隆,著ミネルヴァ書房 2009.11.)』において指摘され、同書は生活保護の基本的な特徴として以下を挙げている(同書:79頁から引用)。

  • 保護受給者層の学歴は72.6%が中学卒もしくは高校中退の低位学歴
  • 学歴の低位と日本型ワーキングプアは、基本的に相関関係にある
  • 保護履歴率が21.6%と高く生活基盤の脆弱性がある
  • 貧困が親から子へと世代間にわたる世代間継承率が母子世帯は40.6%と高率
  • 10代の出産のハイリスク母子26.4%出現
  • 稼働世帯の就労インセンティブの弛緩

出産年齢の早い低位学歴の(ひとり親の)母親は出産、育児、低位学歴から就職が困難となる。就職が困難となることで相対的貧困層に属することとなり、生活保護受給率が高くなる。

上記の経済的困窮状態が子どもの教育、学歴、就職、自立などに大きな影響与え、経済的困窮が子どもの世代に継承される。また、その後の子の成長に大きな影響を与える児童虐待(心理的虐待やネグレクトを含む)も貧困層の母子世帯にある問題の一つだ。

図は、法務省「2021年次矯正統計」から作成した新受刑者の教育程度と同「2021年次少年矯正統計」から作成した男女別の新収容者の虐待経験である。

新受刑者総数16,156人(10代から70代以上の全ての年齢層の男女の総数)のうち、最も多い最終学歴は中学校卒業の5,352人である。ただし、新受刑者のなかには、大学進学率の低い世代も含まれている。

2021年次新受刑者の教育程度 2021年次矯正統計から作成
2021年次矯正統計から作成 新受刑者年齢
2021年次少年矯正統計から作成男性新収容者の虐待経験
2021年次少年矯正統計から作成女性新収容者虐待経験

少年矯正施設の新収容者虐待経験は、少女(女性)で半数以上、少年(男性)で3割以上である。

二つの統計は、犯罪・非行の受刑者・収容者と教育課程及び被虐待経験の関連性を推察させる。

報道されているN・Rの生い立ちは、上記の構造を容易に想像させる。ギャンブルに依存していたとも思われるN・Rの生活状態を考える際には、貧困の連鎖の問題を同時に考える必要がありそうだ。

前述のとおりN・Rの母親の年齢は不明だが、N・Rの年齢から推察される母親の年齢は30歳代から40歳代だろう。N・Rの母親は失われた30年の只中でN・Rを育てたことにもなる。

少子化と階級固定は経済的に恵まれた層と貧困層の子どもの未来の格差にも繋がる。経済的に恵まれた家庭の子は教育の機会に恵まれ、貧困層の子は教育の機会から遠ざけられ、将来の職業選択に影響を及ぼす。

00年中頃から10年代に注目を集めた『ヤバい経済学(原題, Freakonomics)スティーヴン・D・レヴィット, スティーヴン・J・ダブナー著, 東洋経済新報社, 2007』は、米国の犯罪減少の要因の一つに人工中絶の合法化を挙げている。

同著は、米国内の犯罪の減少要因には、厳罰化、取締り強化、好景気等の他に将来的に違法行為を犯す可能性が高い、若年層の妊娠、貧困層の妊娠、望まない妊娠による出生等を抑える人工中絶の合法化の影響を分析、指摘している。

だが、一方で人工中絶の問題は、女性(母親)の権利と胎児の命の権利の衝突を生み、宗教的倫理観の問題に繋がる重要問題として現在の米国でも議論、衝突、分断の原因にもなっている。

将来の犯罪者を減らすことを目的に日本で人工中絶の合法化ができるのか?の問いに対する答えは――現実問題として非常に難しいだろうとの答えにたどり着いてしまう。

では、闇バイトに応募する日本の若者を減らすために残された政策――それは、貧困の連鎖を断ち切るための政策となるだろう。 闇バイトに応募し重大犯罪に関与した疑いのあるN・Rや他の未成年、若年層容疑者を減らすためには、早急な対応が必要だろう。

族の崩壊と闇バイト

70年代から90年代は、地元を中心に集まった暴走族、疑似家族、疑似親子、疑似兄弟の共同体=ヤクザ(暴力団)が夜を暴走し、街を闊歩していた。

集団内の倫理と規律と制裁を伴う彼ら彼女らの強力な上下関係は、時に犯罪を巧妙化させ、時に独特の正義感を発揮することがあった。

だが、儒教的な上下関係を嫌悪する社会風潮は、犯罪集団の在り方を変える。90年代から「場所」を中心にチーマーと呼ばれる集団が生まれ、暴対法や暴排条例の施行以降は半グレと呼ばれる準暴力団(集団)が現れる。

彼ら彼女らの集団は疑似家族的な強力な上下関係の代わりに変更可能な横の繋がりの「集まり」に変化し、犯罪ごとにメンバーが入れ替わり、仲間の本名も知らない集団となる。

その究極の形がSNS等を介し闇バイト募集に応募した名前も知らない者同士の犯罪だろう。主体性に欠ける彼ら彼女らは、犯罪現場でも指示役の指示に従い、犯行に使うレンタカーも本名で借りる。

彼ら彼女らの犯罪は主体性の無さと犯罪に対する現実感が欠けた奇妙で幼稚な犯罪だともいえるが、彼ら彼女らが行った結果の重大とのギャップには戸惑いさえも感じてしまう。

族(家族、疑似家族)の繋がりが崩壊した現代的な犯罪集団。それが闇バイトと彼ら彼女らが行った凶悪犯罪の数々なのかもしれない。

社会の歪みと犯罪

社会の歪みは、犯罪に影響を与える。新たな犯罪形態と進化は、テクノロジーの発達だけが要因ではない。

社会の歪みが新たな犯罪を生み、新たな犯罪者を誕生させる。失われた30年と呼ばれる長期的な経済不況は人々の生活に大きな傷を与えた。

格差の固定化と拡大は、子どもの頃から自分の人生に希望を持てない者や安易な一発逆転を望む者を量産した。

国民の体感治安を著しく悪化させた連続強盗事件や特殊詐欺事件そして闇バイトに応募する未成年者や若年層の容疑者/被告が社会に与えた教訓は、貧困の連鎖を断ち切り、多くの子どもが人生に希望を持てる社会の実現なのかもしれない。


◆参考文献
道中隆『生活保護と日本型ワーキングプア―貧困の固定化と世代間継承』ミネルヴァ書房 ,2009.
土井隆義『少年犯罪〈減少〉のパラドクス (若者の気分)』岩波書店 ,2012.
難波功士『社会学ウシジマくん』 人文書院 ,2013.
スティーヴン・D・レヴィット, スティーヴン・J・ダブナー『ヤバい経済学(原題, Freakonomics)』東洋経済新報社, 2007.


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