長野奈々(2022年5月31日、保護責任者遺棄の容疑で逮捕)に関する調査報告

2022年5月31日、両脚の大腿骨(※1)を骨折した当時3歳の次女に適切な治療の機会を与えず放置した「保護責任者遺棄」の容疑で31歳の母親長野奈々が逮捕された。

また、母親の長野奈々と同居していた交際相手男性(2022年3月死亡:当時37歳)は、日常的に次女への虐待を繰り返していた傷害罪の容疑で2021年12月30日に長野奈々と共に逮捕、その後、起訴(母親の長野奈々は公判中。交際相手の同居男性は死亡)されていた。

母親の長野奈々と同居人/交際相手から日常的に虐待されていたと思われる次女は、2021年12月29日に意識不明の状態で搬送された病院で死亡しており、死亡した「次女の顔や頭に怪我の痕などがあった」、母親は「躾(しつけ)のつもりだった」と供述していたともいわれている(参考、引用:「両脚骨折娘に暴行・放置容疑の母親「しつけ」と説明」産経新聞 2022.05.31配信記事)

※1,「大腿骨」は、「人体の全身の骨のなかで最長の管状骨で、きわめて頑丈である(出典:日本大百科全書(ニッポニカ)「大腿骨」の解説)」

<報道>

骨折の3歳児、放置した疑い 母逮捕、自宅で虐待か 女児、脳の損傷で死亡 春日部
 3歳の娘が骨折したと知りながら放置したとして、埼玉県警は31日、母親で同県春日部市の無職、長野奈々容疑者(31)を保護責任者遺棄の疑いで逮捕した。女児は昨年末に脳の損傷で死亡。県警は女児が虐待を受けていたとみて、詳しい経緯を調べている。 捜査関係者によると、長野容疑者はカラオケ店員だった昨年12月中旬~末ごろ、同居していた交際相手の男(当時37)=3月に死亡=と共謀し、太ももの骨が折れて女児(3)が歩けない状態だったことを知りながら、病院で受診させなかった疑いがある。女児は保育園などに通っておらず、県警は自宅で骨折したとみている。 その後、男が女児の異変に気づき、119番通報した。女児は病院で治療を受けたが、間もなく死亡した。頭部や顔にけがをしていたという。 県警は長野容疑者が男と同居を始めた後、女児が虐待を受けるようになったとみている。同居から女児の死亡まで約1カ月とみられ、県警や児童相談所には事前に女児のけがや虐待についての情報は寄せられていなかったという。 県警は病院からの通報で把握し、直後に長野容疑者と男を女児に暴力を加えたとする暴行容疑で逮捕。さいたま地検が1月、傷害罪で起訴した。男は3月、警察の留置場で死亡した。自殺の可能性が高いという。 ■虐待死の14%、行政把握できず 虐待を受ける子どもは全国で後を絶たず、事前に行政側が把握できないケースも少なくない。 厚生労働省によると、2020年3月までの10年間で、虐待を受けた後に子どもが死亡したとして全国の自治体が把握した事案(心中含む)は705件にのぼり、死者は計804人だった。このうち99件(14%)は、児相や市区町村、警察などの関係機関が事前に把握していなかったという。 児童虐待に詳しい関西大の山縣文治教授(子ども家庭福祉論)によると、こうした事案の多くは乳幼児で、親が未婚や若年で出産を家族に明かせず、行政にも相談しないことが多いという。届け出されていても、転居時の自治体の引き継ぎが不十分で、行政の支援網からもれるケースもあるという。 問題解決の糸口として、山縣教授は「市民の意識改革が大切」と指摘する。身近な未婚の親に疎外感を与えない▽「子育てで苦労したら相談に乗るよ」と優しく声をかける▽異常を感じたら児相に通告する――といった対応が必要という。 「自治体に苦手意識を持つ人も多い」として、SNSや電話で相談を受けるNPOなどの取り組みを支援することも効果的としている。「行政の対策の徹底と民間の協力が必要。社会全体で見守る、という考え方が重要です」(仙道洸、仁村秀一、森下友貴)

朝日新聞 2022.05.31

長野奈々容疑者の過去の犯罪報道

前述のとおり、長野奈々と同居人/交際相手(2022年3月死亡:当時37歳)は、2021年12月29日に死亡した次女への暴行(「傷害罪」起訴され、2022年6月1日現在、公判中)容疑で2021年12月30日に逮捕されている。

また、長野奈々の同居人/交際相手は、2022年3月に勾留中の警察所内留置所で自殺との報道が確認される。この報道を基に確認された2022年3月、埼玉県警春日部署内の留置所で発生した自殺に関する報道は以下のとおりである。

<報道>

勾留中の37歳死亡 埼玉
春日部署は19日、署内の留置場で勾留中だった男性(37)が死亡したと発表した。発表によると、同日午前2時35分頃、巡回中の看守が、衣服を使って首をつり、意識不明になった男性を発見。男性は救急搬送されたが、同4時過ぎに死亡が確認された。男性は昨年末から勾留されていた。

読売新聞 2022.03.20

上記の記事は、長野奈々の交際相手の自殺報道(警察の広報を基にした匿名報道記事)だと思料され、長野奈々の同居人/交際相手は、2022年3月19日に自殺したと判断される。

なお、2009年以降、埼玉県警が管理する施設(警察署の留置所)内では、長野奈々の交際相手を含む15名の死亡記事が確認された。勾留中に埼玉県警管理施設(警察署の留置場)で死亡した者の内訳は以下のとおりである。

死亡者数自殺者数
2009年10
2012年11
2013年10
2016年10
2017年11
2018年41
2019年20
2022年10
2021年21
2022年11
合計155
埼玉県警施設(警察署留置施設)で死亡した人数、自殺者数 (2022年は6月1日現在)

事件が永遠の闇に覆われてしまう勾留中の被疑者(容疑者)の自殺は非常に残念な結果である。

長野奈々容疑者の自宅状況などその他の情報

長野奈々容疑者の自宅状況について調査を行ったところ、報道にある長野奈々容疑者の自宅(埼玉県春日部市下蛭田の戸建て住宅)の土地と家屋は、平成27(2015)年、長野奈々容疑者の親族、配偶者または元配偶者などと思われる同姓の男性が購入し、所有権の移動は認められない。(2022年6月1日 現在)

また、上記の長野奈々の親族、配偶者または元配偶者などの不動産(報道にある長野奈々容疑者の自宅)購入時の住所は、報道にある長野奈々容疑者の自宅(埼玉県春日部市下蛭田の戸建て住宅)から北東方向へ直線距離で約500メートルに所在する埼玉県春日部市内のファミリータイプの共同住宅(マンション、アパートなど)である。

同所は長野奈々容疑者の前住所の可能性が考えられる。

長野奈々容疑者のSNSアカウント

長野奈々容疑者に関してネットメディアリサーチを実施したが、長野奈々容疑者と判断できるSNS(Facebook 、 Twitter、Instagram)の確認には至らなかった。

なお、SNSやインターネット掲示板などには、長野奈々容疑者に関する書き込みが数件確認されたが、真偽不明のため割愛する。

また、状況的(2021年11月から交際相手と同居の報道があるため)に、長野奈々容疑者は被害者次女の父親と離婚などしていた可能性が高いと推察され、離婚後も戸籍法77条の2(離婚の際に称していた氏を称する届。リンク先:戸籍法e-Gov法令検索)の届により、夫の氏を名乗っていたとも思われる。

上記の推測から長野奈々容疑者は、旧姓でSNSを利用して可能性もあるが、長野奈々容疑者の旧姓に関する情報の確認には至らない。

雑感

「児童虐待」の問題は、1990年代に注目され始め、2000年5月24日に「児童虐待の防止等に関する法律」が公布された。

その後、児童虐待の認知件数は増え続けている。

近年は、離婚後の実父、実母とその交際相手からの重大な虐待事件報道が散見される。(※1

各報道によれば、長野奈々容疑者と死亡した交際相手は2021年11月頃から同居していたようだ。そして、その頃からこの事件の被害者(公判中だが――)となった女児は保育園に通っていなかったといわれている。

保育園、幼稚園、学校には、「家」と「家庭」の密室化を予防する効果がある。

密室化した「家」「家庭」に第三者の目が入ることは大切だ。

議論が進む離婚後親権の問題(日本は単独親権)、離婚後の監護、面会交流、養育費の支払いの問題――そして、第三者の介入と強すぎる親権の問題――制度を変えることで最も弱い「子」の権利、権益、命を守り助けることが出来るのなら――各制度の早急な見直しが必要ではないだろうか。

「付記」

(※1 2022年5月中に報道された母親とその交際相手による子どもへの主な虐待事件報道

2022/5/06 岡山地検が死亡当時6歳の女児を「鍋の上に長時間立たせた」などの強要罪で母親34歳と交際相手38歳を追起訴(参考:岡山女児虐待死 母と交際男を追起訴 強要罪で地検、捜査終結 山陽新聞 2022/5/6 22:02配信)の報道がある。なお、同母親とその交際相手男性は、2022年3月、「逮捕監禁致死罪」などで逮捕、起訴されている。
2022年5月28日頃には、2019年8月、鹿児島県出水市で交際相手の4歳女児を浴槽に放置し死亡させた「重過失致死罪」に問われた男性の公判の報道が確認され、「母親とその交際相手による子どもへの虐待」とは異なるが、埼玉県本庄市内で発生した母親と同居人2人の男女3人の大人による男児への虐待事件の後追い報道が2022年5月13日頃になされ、母親を含む男女3人は、男児を「猫用ゲージに2時間以上に渡り閉じ込めなどの暴行や虐待の様子をスマホで撮影した嫌疑」などとある。


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Jean-Baptiste Roquentin運営者

投稿者プロフィール

Jean-Baptiste RoquentinはAlbert Camus(1913年11月7日-1960年1月4日)の名作『転落(La Chute)』(1956年)とJean-Paul Sartre(1905年6月21日-1980年4月15日)の名作『嘔吐(La Nausée)』(1938年)に登場するそれぞれの主人公の名前からです。
Jean-Baptiste には洗礼者ヨハネ、Roquentinには退役軍人の意味があるそうです。
小さな法人の代表。小さなNPO法人の監事。
分析、調査、メディア、社会学、政治思想、文学、歴史、サブカルなど。

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